見出し画像

お客様へのご挨拶から生まれた菓子 栴檀監修「白檀」

この菓子が生まれるきっかけはもう、何年前になるんだろう。

若い時は営業なんて言葉さえ知らなかった私。

母から教えてもらったことは座敷の采配やお客様へのもてなしや料理への向きあい方が主だった。

料理旅館を活性化していくには営業も必要。私の営業は、父や母ではなく新しく入ってきた番頭さんに習った。

名刺のいただき方やクレームへの対応、ご挨拶の仕方を教えてもらった。新しい番頭は、営業畑からの転職で私に営業のいろはを教えてくれた。

栴檀の女将としての営業。繰り返す中で、お客様へ訪問する時に何か印象に残る物を持って行きたいと思うようになった。あちこちで手土産を買って行くのだが、何か栴檀らしいものがないかなと。

印象に残るもの=オリジナル

思い立ったら即行動。知り合いのケーキショップのオーナーにオリジナルの菓子を作りたいという思いを話した。すると、その場でオリジナルなお菓子を作ってみることになった。

話は進み、今の「白檀」の原型ができた。
始めは、お客様への感謝を込めて「だんだん」と言う名だった。松山らしく、方言である言葉「だんだん」意味は“ありがとう“である。私の営業とはいつも"有難う御座います"の思いを伝えるものだから。

それからパティシエと何回もやり直しを重ね、もっと栴檀を表現できるものはないかと試行錯誤。菓子について考える日々。

栴檀の丸いマークは香の図を表している。香道の源氏香に由来し、源氏物語の「箒木」の巻きの形。栴檀では香りに重きを置いてる。ぐるぐると頭のなかで回る、栴檀=香り…

そうだ。香りを楽しみながら味わえる菓子を作ろう

香りを楽しめる菓子。何があるかと探索の日々。ここでやはり広がるのはご縁の力。
母の代から大切にしている会がある。30年以上の歴史のある愛媛の美味しい食材とお酒の文化を追求する会。“耽味会(たんみかい)“という会である。

ここでのご縁がキッカケとなり、地酒の豊かな香りを菓子で表現しようとアイデアが舞い降りてきた。梅錦の吟醸酒をいれて香り菓子の誕生となった。

栴檀監修「白檀」

創業50年の節目を迎えたこともあり新たな一歩を踏み出す思いを込めて、木の箱から白い玉手箱に変えた。

だんだんという名前も栴檀の和名であり、芳香もある「白檀」に変えた。

「白檀」の字は尊敬する松山在住の女性書道家の松下琴舟先生に名前を書いていただいた。私の想いを先生がくんでくれて表現してくださり素敵な字になった。


先日お話しさせていただいたANAの機内食にも半分のサイズをいれて好評も得た。

商工会議所の松山ブランド新製品コンテスト「NEXT ONE」にも応募した。書類作成し、審査員の前でプレゼンし初めての経験ばかりで緊張が続いた。プレゼンでは想いはしっかり審査員の方に伝え達成感を感じた。プレゼンを終え、落ちついたのか空腹でお腹が鳴ったのを覚えてる。

プレゼンから一年経ち、いよてつ高島屋や全日空クラウンプラザやマイントピア別子で販売していただけるようにになった。地域の力にもなれれば良いと思いふるさと納税にも登録している。


そして、今は1年かけて第二段のお菓子となる妹分の「金鈴子」の作成に挑戦した。お客様から同じものをたくさんより、違う物を重ねたいとの要望も聞こえるようになり背中を押された。特にコロナ状況で休業になり研究する時間は充分あった。こちらも香り菓子である。


私はいつも山を登っていたい人なのかもしれない。
山がないとアンテナ張って山を探してる私。達成感と言うものに惹かれてるのだと思う。


そして、このブログもたくさんの苦労はあるけど読んでくれてる人がいると思うだけで書けます。

いつも応援いただきありがとうございます。だんだん。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?