生まれたばかりのUXリサーチチームを社内に知ってもらうための取り組み
こんにちは、noteデザイナーの仙田です。
最近は社内でUXリサーチチームを作り、リサーチの社内浸透に勤しんでいます。
今回はUXリサーチチーム立ち上げ当初、チームの取り組みを社内に知ってもらうためにやったことを書いていこうと思います。
立ち上げ当初は社内で知ってもらうことを最優先に!
noteのUXリサーチチームは2021年9月に立ち上がりました。
メンバー3人の有志チームです。
noteにはUXリサーチを定常的に回す習慣が定着していなかったので、リサーチ結果が活用される文化作りをミッションの1つとして活動しています。
立ち上げ当初、CXOの深津さんにアドバイスをいただきました。
一部の人に超役立つより、みんなが喜ぶ、持ち帰ることができる情報を提供することが大事。リサーチ結果が楽しみになる方がいい。
定期的にみんなの役に立つユーザー情報を共有して、「仙田はユーザーに詳しいらしい」と思ってもらうの大事
(他にもたくさんアドバイスもらったのですが、ここでは割愛)
まずは認知してもらい、そして期待感を抱いてもらう(UX白書で指す予期的UX作り)ことでみんながUXリサーチチームを「使ってくれる」のではと考えました。
そのため、初期はチームの存在と取り組みを知ってもらうために、露出を増やすことを意識的に取り組んでいました。
その結果、こんないいことがありました
複数の部署から「ユーザーリサーチをしたいんですが…」と相談してもらえた
他部署の人が、リサーチ浸透に役に立つ社内の動きを共有してくれる
他部署の人が、リサーチに関する有益な情報(外部の記事やイベント情報など)を共有してくれる
思わぬ人にリサーチの価値が届く
想定してない部署でリサーチ結果が活用される
これらを実現するため取り組んだことを以下で紹介していきます↓
1.お土産を持参してリサーチに人を巻き込む。
リサーチ設計の段階から、関係する他部署の人を巻き込むことを意識していました。
より価値のあるデータを届けられますし、インタビューならば同席してもらうことでユーザーの声を直接届けることもできます。
ただ、人を巻き込む時に難しいのが、相手も忙しい中どうやって貴重な時間を割いてもらうか。
こちらの都合で「UXリサーチしたいから協力してよ!!」というだけでは快く時間を割いてもらうことができません。
なのでお互いにwin-winになる巻き込み方を意識しています。
事前に「その部署ですぐに活用ができそうな情報」「リサーチをやる意義が客観的に伝わる情報」を持参して、「このテーマをもっと深堀りたいんだけど、一緒にやってみない??」と誘ってみることが多いです。
超例えば…
【チームで調べたいこと】
目的:動画を投稿する人にももっとnoteを使ってもらいたい
話を聞きたい人:普段動画系プラットフォームで投稿してる人
【巻き込みたい人に持っていく情報】
動画市場の伸び率、他社サービスで動画クリエイターを取り込むための施策事例
このやり方を続けていて、他部署の人にインタビューや結果分析にも同席してもらえることが多いです。(みんなが優しいだけかもですが…)
実際に、設計から分析まで並走して行った調査がきっかけで、noteイベントの開催につながったりもしました。
2.インタビューを社内ライブ配信する
インタビューの様子をYoutubeライブで限定配信して、誰でも気軽にのぞけるようにしました。(プライバシーやセキュリティへの配慮をしたうえで)
後日1時間のインタビュー動画ファイルを共有されてもしてもなかなかみようと思えないですが、Youtubeライブだったらさくっと覗いてくれる人が多いかなと思ってトライ。
実際に配信をのぞいてくれた人は20人ほどおり、ほとんどがプロジェクトに直接関わっていない人でした。
あとから「Youtubeのぞいみてた!勉強になったよ!」と話してくれた人がいたのは嬉しかった。
Youtubeの動画は非公開設定にしたあと、指定したユーザーにのみ共有することもできるので便利。
また、動画の管理も地味に楽なのが便利。プレイリストでテーマごとに管理できますし、概要欄にタイムスタンプを押してチャプター機能を付けることができます。
3.結果の要約を毎回全体チャンネルに投稿:
UXリサーチを実施するたびに結果のまとめを全体チャンネルに送っています。
同じテーマで複数回インタビューを行う時は、投稿をスレ立てすることで他のインタビューも見返しやすくしたりしました。
次に紹介する全社LTをやったこともあり、他部署の人が「実はユーザーリサーチをしたいんだけど…」相談をしてくれることが増えました。
UXリサーチに関する情報提供をしてくれることも。
4.全社会議でLT
超シンプルですが、note全社会議のLT枠が空いていたので、UXリサーチが必要な理由、直近のリサーチ結果をプレゼン。
Slack への投稿だとどうしても流れてしまう部分があるので、LTで活動内容をがっつり伝えることができました。
誰でも全社会議のLTに立候補できるのはとってもありがたい…!100名以上の社員に取り組みを伝えることができるのですから…
先ほどお伝えしたように、このLT以降、UXリサーチの相談をしてくれる人や情報共有をしてくれる人が確実に増えました。
また、プレゼン準備をすることでチームミッションや取り組みの振り返りができたのは良かったです。
有志プロジェクトなので習慣的にガッツリ振り返りをする時間もなかなか取りづらく…半強制的に活動のまとめをする機会を定期的に作るのいいかもしれません。
5.リサーチ結果やノウハウのドキュメント化
リモートワークでは特に非同期のコミニケーションが増えるので、誰もが欲しい時にすぐチームの情報が知れるようにドキュメント化するようにしています。
(プレゼンスライドやmiroだとどうしても口頭補足がないと文脈の把握が難しかったりしますが、ドキュメントならそれ単体で機能します)
他部署の人から
今度ユーザーテストしたいんだけどコツとかってありますか?
ユーザの課題感大きいのってどこらへんですか?
と聞かれることが実際にあったのですが、そんなときにスッと渡せる資料があるだけでめっちゃ楽ですし、ドキュメントなら社内の拡散性も高いです。
なぜドキュメント化が大事なのか?yasuhisaさんの記事で超分かりやすく説明されているので読んでいただきたいです。↓
会議の議事録はもちろん、チームのミッションやステートメントシートは必ずドキュメント化してDriveにつっこんでいます。
いくつか実際の資料をお見せします↓
■UXリサーチのノウハウ、学びを蓄積した資料
ノウハウを残すことで他部署メンバーもリサーチにトライしやすくなるはず。
最終的にはこのチームがなくなっても自然と会社でUXリサーチが回る状態を目指しています。
■リサーチチームの取り組みを時系列でまとめた資料
これはどちらかというと自分のために作っています。
やったことと振り返りを時系列で残す事で、今回のように外部発信する時に役立ちます。(情報発信するところに情報は集まると聞くので…)
露出させる情報量と露出場所のバランスが大事かも
とにかく社内で露出を増やそうと頑張った初期でした。
書きながら思ったのですが、ただ露出を増やすだけではもったいない気がしています。
リサーチ結果を全体チャンネルでだだ流しにするだけでは、接触頻度は増やせますが、チャンネルにとってはノイズになったりネガティブな印象を与えてしまうかもしれません。
ただ「おれはリサーチしたぜ!見てくれよ!」と宣伝するのではなく、届けたい人に適切に届ける必要があると感じています。
全体チャンネルはみんなが見るので、ライトに見れるコンテンツを投下。
リサーチテーマに関係が深いプロジェクトチャンネルで調査計画のやりとりなどをして、調査プロセスや背景も見せていくと、相手も文脈も把握が把握しやすく、リサーチプロセスの学びにもなりそうです。
さいごに
最近社内の認知はとれはじめているとは思いつつ、まだまだ始めたばかり。
僕自身チームを引っ張るのは初めての経験で、このやり方が良いのかも分かりません。
完全に手探り状態でトライアンドエラーを繰り返して進めています。
なので是非他の企業のリサーチャーさんとも情報交換したいな〜と思っています。
興味があればお気軽にTwitterから連絡ください〜
本当に最後に。
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