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『セクシー田中さん』は前向きな自分に変われるよう、そっと背中を押してもらえるドラマです!

タイトルからイメージした内容とはぜんぜん違って、コメディーの要素はありながらも”人間そのもの”をきちんと描いているドラマだと初回から感じたのが『セクシー田中さん』でした。

アラフォーOLで、普段は地味で友だちも恋人もいない経理部の田中さん。愛されキャラだけれど「若くてかわいい」ことしか自分の価値はないと分かっていて、虚しさと生きづらさを感じている派遣OL・朱里。

こういう対比は割とありがちな設定ではありますが、田中さんの”裏の顔”がこのドラマをひと味違う印象にしていると感じました。

田中さん役の木南晴夏は、ひとこと「ブラボー!」な役作りとしか言えません。地味なOLのときと超セクシーなベリーダンサー・Saliのときと、もはや″別人レベル″でした。私にとって木南ちゃんは、確かな演技力でどんなドラマでも映画でもその存在感がついつい気になる俳優さん。主役とか脇役とかそんなこと関係なく、気がつけば木南ちゃんに目がいってしまいます。『ブラッシュアップライフ』も安藤サクラと夏帆と三人の演技合戦見事でしたよね。

もともと細い木南ちゃんが、さらに絞って腹筋割れてベリーダンサー・Saliとして踊る姿はただただ美しかったです。惚れました。俳優さんってやっぱりすごい!役なのにここまでなり切れるなんて。

そして『日曜の夜ぐらいは…』ですっかり彼女のファンになってしまった朱里役の”めるる”こと生見愛瑠。今回は髪型もイメチェンして、悩めるOLさんを好演していると思います。「ベリーダンサー・Sali=田中さん」を知ってから”二人だけの秘密”を持てたことが本当に嬉しそうな朱里の笑顔はまぶしいくらいかわいい!涙の演技も心つかまれました。

ペルシャ料理店のマスター・三好圭人役の安田顕はロン毛がセクシー(笑)。どうやら田中さんが密かに憧れている存在らしいので、どう絡んでくるのか楽しみです。シナモンと共演している安田さんとは別人です!

私の気になる毎熊克哉は、今回女性に対する偏見まみれの笙野浩介役。スーパーで出会った田中さんに少しは興味を抱いたようだったのに、予告でSaliが田中さんと気づいた笙野が「おばさん」と呼び「痛々しい」とか言っていたので腹立ちましたねー。彼もどう変化していくんでしょう?

第1話の最後、踊り終えた田中さんを店の外で待ち伏せしていた朱里。

「アタシなんかにつきまとっても、あなたが得られるものは何もないと思います。きっと時間のムダです」

「ムダじゃないです。なんかバカみたいだなぁって。リスクヘッジとか言ってチマチマ生きてる自分が。田中さん、アタシみたいな人間嫌いでしょ?」

「嫌いじゃないですよ。アタシはあなたが持っているものすべてがうらやましいです。アタシ…彼氏も友だちもできたことないんです。昔からアタシが口を開くとみんなが困った顔をするんです。顔を上げずに済むから、勉強するしかなくて。資格をとって、仕事するしかなくて。気がついたら、どんどん猫背になっていて。ある日、鏡を見たら老婆が映ってた。まだ35歳だったのに。だから、胸を張ろうって思ったんです。曲がった背筋を何度も、何度でも伸ばそうって思った。ベリーダンスが魔法をかけてくれたんです」

「やっぱりムダじゃないですよ。だって私、田中さんのお陰でずっと言えなかったこと言えたから。だから、また観に来てもいいですか?」

『セクシー田中さん』第1話より

このラスト・シーンがこのドラマのこれからを象徴しているんだと思います。人間はきっかけがあれば変われるし、周りから貼られたレッテルなんて気にせず自分らしく生きていく!自分の幸せは自分で決める!

二人とその周囲の人間たちもどんな風に変化していくのか…これからの展開が非常に楽しみになりました。

これは『ミステリと言う勿かれ』以来久しぶりに原作のマンガが読みたくなったと思ったら、なんと脚本はまさにその『ミステリと言う勿かれ』を書いた相沢友子氏だったという偶然。やっぱり脚本の好みってあるんですね。


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