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「Go To図書館」という企て

東北大学附属図書館では秋学期の開始に合わせ、ただいま「Go To図書館」キャンペーンを展開しています。新型コロナウイルス感染症対策としての緊急事態宣言の頃には、いったん閉館に追い込まれていましたが、徐々にサービスを再開しました。本note記事では「安心・安全な〈場〉としての図書館の今」をお伝えします。(バナー画像は図書館職員がデザインした「Go To図書館」のロゴマークです♫)

3月からの振り返り

国内での感染者が増え始めた3月初旬、東北大学では総長を議長として「新型コロナウイルス感染症対策本部会議」が設置され、危機対応が本格化しました。附属図書館でも種々の感染症対応策を開始しましたが、4月初旬、学内感染者が判明したタイミングで、感染症対策行動指針(BCP)が策定され、学内2例目の感染者も判明して、図書館は休館するよう指示がありました。(まとめの表、その他、本note記事に挙げている画像は、図書館事務部長小陳左和子氏により作成)

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この急な休館(各分館や図書室含む)については、日々図書サービスを利用している教員や学生から不満の声が上がりましたが、本学のBCPレベル4では職員も「必要最小限が交替出勤、7〜8割り程度の在宅勤務」とされていたのでやむを得ないないことでした。全国の国立大学図書館でも、5月1日には74館が休館となりました。

それでは図書館としてのサービスができないということで、教員に対しては事前予約+窓口引き渡しにし、5月20日からは学生向けに「郵送貸出」を開始しました(サービスステップ1の段階)。

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本学が素早くかつ厳しい対応を取った背景には、感染症の専門家が多数おり、4月、5月は毎日午前11時から定例の「対策班会議」を総長、理事・プロボスト、その他関係理事・副学長および事務機構長以下の対応職員が一丸となって、状況把握と対応を次々と取っていったことがあります(現在は火曜日・金曜日の週2回)。実際、「市中の図書館は開館しているのに、なぜ大学図書館は休館なのか?」というお叱りを受けたこともありますが、大学図書館の利用者の大多数は学生であり、もっとも「他人にうつすリスクが高い」集団であるというファクトが存在します。全学のBCPレベルは「4→3→2」と下がっていきましたが、図書館が限定開館(サービスステップ2)となったのは6月22日でした。

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ウィズコロナの図書館

春学期は基本的にすべてオンライン授業となりましたが、秋からは対面授業も開始されています。合わせて、附属図書館本館は開館時間を平日の9時〜20時に延長し、座席数も拡大しました。もちろん、感染症防止対策を払った上でのサービスです。

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現在の座席数はおよそプレコロナの7割程度となっています。

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接触感染を避けるため、共用PCの利用は休止されています。今年度の新入生がノートPC必携化(Bring Your Own Device: BYOD)となっていたことは幸いでした。この他、グループ学習室は個人利用のみで事前予約によりトレーサビリティも考慮して使用可能としています。館内はWiFi完備ですので、落ち着いた学習だけでなく、オンライン会議・面接等にも使ってもらうことが可能です。

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「Go To図書館」キャンペーン開始

さて、現在図書館では「Go To図書館」キャンペーンを展開しています♫ これは、学生さんにとって図書館が「安心・安全」な場所であることを、とくに新入生に伝えたいという意図があります。2年生以上の学生さんにとっても、キャンパス内での活動が制限された間に、「何は行っても良いか?」「どの程度なら安全なの?」かが、自宅に籠もっていたらわからないでしょうから、座席の感覚はこのくらい、イベントを行うときにはどんな点に気をつければ良いか、などを肌で感じて欲しいと思いました。また、会話ができなくても、「同世代の学生さんたちが同じ空間一緒にいる」ということが与えるメンタル面の効果も無視できないと思います。

まずは、ちょうど秋入学の学生さん向けに、対面による図書館ガイダンスを開催。画像はやや奥行きが詰まって見えますが、実際には1mのフィジカルディスタンスが確保されています。

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「オーダーメイド講習会」といって、ゼミや研究室単位でのセミナーなどの開催のための会場も提供しています。座席の配置などは予め、図書館側で決めています。

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また、館内では種々の「ミニ展示」も行っています。ちょうど、10月初旬のノーベル賞受賞者発表で、ジェニファー・ダウドナ先生が化学賞を受賞されたので、2018年に知のフォーラムで国際シンポジウムを開催して頂いた折の画像や、サイン本などを展示中(12月10日まで)。

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さて、これからの図書館はどのように、リアルとヴァーチャルを組み合わせていくのでしょうか。新型コロナウイルスは未来の図書館のあり方を探るという課題を与えたようです。

次のステップとして、11月からは土日の開館を予定しています。どうぞ皆さん、安心・安全な図書館へGO!!!

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