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日本初女子学生誕生110周年を祝って

昨日、9月30日に東北大学川内萩ホールにおいて「東北大学116周年ホームカミングデー」の枠組みで「女子大生誕生110周年・文系女子大生誕生100周年記念式典・記念プログラム」が開催されました。佳子内親王殿下のご臨席を仰ぎ、「おことば」を賜りました。イベントは日英同時通訳を入れ、YouTubeでライブストリーミングを行いました。

佳子さまは2021年に日本のガールスカウト運動100周年を祝う国際ガールズメッセ」の式典において、ビデオメッセージを発しておられました。このメッセージではジェンダー平等について触れられ、「誰もが持てる能力を発揮できる社会に」というおことばに強く感動し、日本で最初の女子学生が東北大学に誕生したことを記念する式典の準備に、ぜひお成りいただきたいと思ってお願い申し上げたことが実現しました。大野英男総長による開会挨拶の後に、おことばをいただきました。

今回、事前に東北大学に日本で初めて女子学生が誕生した経緯や、現在、東北大学において行っている取り組みなどをご説明させていただきましたが、内親王殿下におかれましては関連資料も深く読み込んでいただき、おことばでは具体的な数字等も挙げて「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DEI)」の重要性について触れていただきました。追って、オンデマンド動画配信の準備が整いましたら、こちらにもリンクを貼っておきますが、それまでの間、公開されている動画(各社ありますが、こちらは日テレさん)をリンクしておきます。

このあたりの最後の方は、原稿をお読みになるのではなく、しっかり聴衆の方を向いて話されていました。コロナ療養明けすぐのご公務のために、マスクを着用されておられました。上記リンクの日テレ動画の画面キャプチャ。

ちなみに、この日のご衣装は、緋色のワンピース。東北大学の女子学生誕生110周年記念ロゴ(サムネイル画像参照)の色に合わせてくださったのかなと拝察しています。もともとロゴの色は「紅(くれない)」で、日本で最初の女子学生の一人、黒田チカが「紅花(べにばな)」から抽出した色素、カーサミンからイメージしてロゴに使っています。

黒田チカは、玉葱の皮からケルセチンという血圧降下作用のある物質も同定しており、来場者にはサントリーさんからご提供いただいた「ケルセチンゴールド入の特茶」もお配りしました。

記念ロゴ付きバッグの中には、東北大学の統合報告書、まなびの杜ウェブサイトへのご案内、10月より史料館にて開催予定の黒田チカ資料の特別展示チラシなどとともに、特製の「首掛け」に書け直した特茶も。

式典では、おことばに続いて、ご来賓として藤江陽子文部科学省文部科学審議官よりお祝辞をいただき、その後、田中真美副理事より「東北大学DEI推進の軌跡」として短いプレゼンをしていただきました。ホームカミングデー関連として、国際功労賞、海外同窓会アウォードの受賞者発表とともに、名称変更した澤柳記念DEI賞、同奨励賞受賞者への表彰状を総長よりお渡しいただきました。全体の司会はホームカミングデー側という立ち位置で長坂徹也副学長東北大学サイエンス・エンジェルの塩崎さん。私は東北大学DEI委員会委員長として審査結果(下記)ならびに講評を述べました。

澤柳記念DEI賞
河野銀子氏(山形大学学術研究員教授)
「科学技術・教育分野のジェンダー平等推進」
澤柳記念DEI奨励賞
張 蕊氏(東北大学大学院国際文化研究科・博士課程後期)
「周作人の女性解放運動の体系化に向けた研究ー障害にわたる言論運動とそれを支えた国際的治験の所在ー)
北海道大学LGBTQ+サークル 虹の集い
「セクシャル・マイノリティへの理解促進および当事者の居場所づくり」

当日配布式次第より

午後の記念プログラムの最初では、史料館准教授の加藤諭先生のコーディネートにより、3人の女子学生の足跡等を、蟻川芳子先生(元日本女子大学学長、丹下ウメ関係)、加藤美砂子先生(お茶の水女子大学理事・副学長、黒田チカ関係)、西田桐子課長(兵庫県立美術館、牧田らく関係)より伺いました。このパートも佳子さまは客席にて御覧いただきました。

その後、佳子さまには、上記の展示予定の史料館資料の展示をご覧いただき、さらに東北大学サイエンス・アンバサダー5名とのご懇談の時間も取っていただきました。東北大学男女共同参画推進センターから7月に名称を変更した東北大学DEI推進センターのロゴマーク付き揃いのTシャツ(今回はふじいろ)を来た学生さんたちにとって、とても貴重な時間であったと思います。この部分は同センター長を務める田中真美副理事にご先導いただきました。

会場では同時並行で、全学女子校友会「紫蘭会」発足お披露目として、初代会長の奥山恵美子様(元仙台市長)、白川由利枝様(元若林区長)にご登壇いただき、女子同窓生からのメッセージとして、内館牧子様(脚本家)、栃谷恵里子様(パナソニック)、横向慶子先生(新潟食料農業大学教授)からの言葉が読み上げられました。さらに、現役4年生の学部生男女が司会を務めて、周年卒業生からのメッセージ等が披露されました。編集された動画と組み合わされ、飽きない作りとなっていました。その最後で閉会挨拶をする際に、佳子内親王殿下のおことばから「誰もが能力を発揮できる社会になることが、新たな価値の創造に繋がる」という意味の部分を引用させていただきました。

その後、さらに秩父英里さんスペシャルアンサンブルによる特別ステージでミニコンサートもあり、素晴らしい楽曲を演奏いただきました。萩ホール外の駐車場エリアでは「KIZUNAマルシェ」として、種々の展示販売等が為されていましたが、こちらは覗くことが叶わず。夕方18:00からはオンライン女子会に参加するという、目まぐるしい1日でした。

備忘録として、佳子内親王殿下のご先導として、会場へのお迎え、お見送り等も担当し、その他、皇室対応のロジを学ぶこともできたことは貴重な経験となりました。メディア14社が来学となって各種報道が多数為されたことは、日本におけるジェンダー平等やDEI推進に若干の貢献ができたのではと思います。

学内の担当部署が複数にまたがり、関係者は多大なエフォートを割いて、種々、連携しながら準備を進めてくださったことは感謝に耐えません。ありがとうございました。

【関連情報リンク追記(2023.10.25)】
当日の動画は以下のYouTubeにおいて配信されています。

ホームカミングデーのページを下にたどり、それぞれのプログラムの情報の横にある「動画」をクリックすると、そのプログラムから視聴できるようになっています。

本学HPにおける報告記事

上記は「皇室ご一家」という番組で、ガールズメッセにご出席された佳子内親王殿下の話題に続いて、東北大学お成りについてもご紹介いただき、さらに佳子さまにお願いに上がったことについて受けた取材の動画も含めていただきました。良い思い出になります。

関連情報リンク追記(2023.10.1)】
東北大学DEI推進センターのHP

女子大生誕生の地:特設サイト
110年前にどのようにして日本で初めての女子学生が、100年前に文系女子学生が誕生したのか、現在までの軌跡についてはこちら。

女性の高等教育と無意識のバイアス払拭が次世代の幸福の鍵になる
「転換点を生きる / 東北大学教養教育院編. -- 東北大学出版会, 2023.3. -- (東北大学教養教育院叢書「大学と教養」 / 東北大学教養教育院編 ; 6).」第7章(pp.151-168)の機関リポジトリに置かれた著者版

https://tohoku.repo.nii.ac.jp/records/140249



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