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【採択事業紹介】テラヘルツ波を利用した廃プラスチック選別装置の開発 〜東北大学大学院 国際文化研究科 特任講師 眞子 岳氏〜

『あなたの思いで、仙台・東北から世界を熱狂させる。』をビジョンに、東北地方のスタートアップや研究者、起業家の事業開発支援を目的とした「仙台スタートアップスタジオ ハンズオン支援プログラム」は、6つの採択事業を決定し2023年度の取り組みをスタートしました。

2023年10月2日プレスリリース:ReGACY Innovation Groupと仙台市が共同で実施する「仙台スタートアップスタジオ ハンズオン支援プログラム」の2023年度採択となる6事業を決定

今回は「テラヘルツ波を用いた廃プラスチック選別装置開発と高品質再生原料の普及事業」をテーマに、東北大学大学院 国際文化研究科 特任講師 眞子岳氏が取り組む事業についてご紹介いたします。

ますます注目を集める廃プラ問題の解決を目指す、テラヘルツ波を利用した選別装置の開発

眞子氏のプロジェクトでは、テラヘルツ波(「光」と「電波」の中間の周波数帯域、1THz(テラヘルツ)前後の電磁波)を利用した、廃プラスチックの選別装置の研究開発を行っております。
漂着ごみやマイクロプラスチックのような海洋汚染、廃プラスチックの海外輸出、レジ袋やストローなどの使い捨て容器の増加、コロナ禍の影響による容器包装廃棄物の急増など、世界各国で廃プラ問題は重要なテーマとなっています。
国内においては、令和4年の4月より、プラスチックの資源循環を促進し、プラスチックごみを減らすことで持続可能な社会を実現することを目的とした「プラスチック資源循環促進法」が施行されました。プラスチック製品の設計から廃棄物の適正処理とリサイクルまで、全てのプロセスにおいてサーキュラーエコノミーの取組を促進することが、事業者、地方自治体、消費者、研究機関、リサイクル企業等、多様な利害関係者を含めた取り組みが求められるなど、廃プラ問題は社会的に多くの関心が寄せられています。
本法律には、基本原則として、廃棄物の発生抑制(Reduce)、再利用(Reuse)、リサイクル(Recycle)、そして環境に負荷を与える素材を再生可能な素材に置き換える(Renewable)ことが掲げられていますが、廃プラ問題においては、廃プラを適切に選別し、再資源化を行うかが重要です。しかし、従来の廃プラスチック選別装置では、黒色プラ、添加剤や難燃剤などが含まれている混合プラなど、識別や選別が難しいものも多く存在しました。
眞子氏のテラヘルツ波を利用した廃プラスチック選別装置では、これらの課題を解決し、黒色、添加剤混入、劣化したプラだけではなく、バイオプラの識別が可能となります。これによって、廃プラを適切に選別する装置開発の目処がつき、廃プラスチックを高品質の再生資源に生まれ変わらせることが期待できます。

廃プラスチック選別装置のユースケースの探索・実証を開始

「仙台スタートアップスタジオ ハンズオン支援プログラム」においては、本装置の研究開発を進めており、廃プラの素材毎の選別精度を向上させ、高度なリサイクルの実現によるSDGsへの貢献を目指します。
眞子氏の廃プラスチック選別装置は多様な業界での活用が期待されており、本プログラムでは、同装置の実証実験やビジネスモデル構築の検討を実施しております。
 
「仙台スタートアップスタジオ ハンズオン支援プログラム」


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