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【採択事業紹介】量子アニーリングの技術を活用し、生産計画・製造方法の最適化 〜東北大学 サイバーサイエンスセンター 准教授 小松一彦氏〜

『あなたの思いで、仙台・東北から世界を熱狂させる。』をビジョンに、東北地方のスタートアップや研究者、起業家の事業開発支援を目的とした「仙台スタートアップスタジオ ハンズオン支援プログラム」は、6つの採択事業を決定し2023年度の取り組みをスタートしました。

2023年10月2日プレスリリース:ReGACY Innovation Groupと仙台市が共同で実施する「仙台スタートアップスタジオ ハンズオン支援プログラム」の2023年度採択となる6事業を決定

今回は「量子アニーリングを活用した生産計画・製造方法の最適化ソリューションの検証」をテーマに、東北大学 サイバーサイエンスセンター 准教授 小松一彦氏が取り組む事業についてご紹介いたします。

膨大な選択肢から最適解を導き出し、生産・製造の効率化を目指す最適化ソリューション

小松氏のプロジェクトでは、量子アニーリング技術による生産計画・製造方法の最適化ソリューションの開発を検討しております。
これまで小松氏が研究開発を進めてきた技術は、類似度や親和度が高いデータ同士をグループ分けする機械学習手法のひとつであるクラスタリングを、量子アニーリングによって高精度に実現します。これによって、様々な制約が増えても計算が可能で、例えば生産計画や製造方法の自動化や効率化に貢献することが期待できます。
従来の生産計画や製造方法は、職人の経験や暗黙知に基づく人手に頼ったオペレーションが組まれていることが多くあります。生産計画や製造方法においては、どの部品をどの設備で作るのかということに加えて、納期や生産数、需要や在庫の変動など、計画を策定する上で考慮すべき様々な制約が存在します。
そのため、従来の人手に頼ったオペレーションだと、制約が増えれば増えるほど、計画を立てることが煩雑で時間もリソースも大きなコストがかかってしまい、その場その場での対応に終始し、生産・製造の効率化などに取り組むことが出来ないというのが現状です。
また、その問題を解決するため、これまで機械学習等の活用が注目されてきましたが、既存の古典コンピュータでは計算速度や解の精度に限界があり、多くの分野で新しい課題解決方法が求められています。

量子アニーリングによる最適化ソリューション活用のニーズ探索・検証を開始

小松氏のソリューションは、プロセス設計において必要な条件を効率よく最短で探索する手法「プロセスインフォマティクス(PI)」として、化学系メーカーや機械系製造業など多くの分野における活用が期待できます。
「仙台スタートアップスタジオ ハンズオン支援プログラム」においては、本ソリューションの開発に向け量子アニーリングを効果的に活用し得る業界・分野についてニーズ探索・検証を進めております。
 
「仙台スタートアップスタジオ ハンズオン支援プログラム」


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