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【採択事業紹介】歩行を分析し提案する独自のアルゴリズムを用いた歩行評価AI 〜東北大学病院リハビリテーション部 理学療法士 関口 雄介氏〜

『あなたの思いで、仙台・東北から世界を熱狂させる。』をビジョンに、東北地方のスタートアップや研究者、起業家の事業開発支援を目的とした「仙台スタートアップスタジオ ハンズオン支援プログラム」は、6つの採択事業を決定し2023年度の取り組みをスタートしました。

2023年10月2日プレスリリース:ReGACY Innovation Groupと仙台市が共同で実施する「仙台スタートアップスタジオ ハンズオン支援プログラム」の2023年度採択となる6事業を決定。

今回は「歩行評価AIでリハビリテーションの質向上を目指すデータドリブン型リハビリテーションの構築」をテーマに東北大学病院リハビリテーション部 理学療法士 関口 雄介氏が取り組む事業についてご紹介いたします。

手軽でも高度な分析を!データドリブン型リハビリテーションの構築

関口氏のプロジェクトでは、理学療法士の知識/経験とAIを活用し、身近にあるタブレット端末で歩行障害の測定が即時に可能な歩行評価システムの開発を進めております。

歩行障害とは、足の筋力が弱まることなどによって歩きにくくなったり、足が動かしにくくなることをいいます。歩行障害の原因には、加齢による筋肉量の減少、ストレスによる自律神経の乱れ、その他病気など様々ありますが、現状抱えている課題として、歩行障害を抱える患者や高齢者の障害の低下を十分に予防出来ていないことが挙げられます。

歩行障害の要因を特定する最もポピュラーな方法である歩行観察では、理学療法士の目視による歩行分析を行いますが、主観的な判断が必要であり多くの知識と経験が必要となります。そのため、客観的かつ定量的な分析方法として三次元動作解析装置などの活用も一部では進んでいますが、これらの装置を用いた方法は時間やコストがかかってしまうため、最適な歩行分析手法は確立されていないのが現状です。

一方で関口氏は、身近にあるタブレット端末で簡単に必要な情報を取得できるよう、新たにアルゴリズムや評価システムを提案しました。これにより、歩行障害の要因を特定し臨床的意義のある提案を医療者や歩行障害を抱える患者に行うことが出来るようになります。これまでの「分析解像度」と「手間・コスト」のトレードオフを解消できる手法として、関口氏の技術は大きな可能性を持っています。 

誰もが歩ける社会の実現を目指し適切なユースケースの探索・実証を開始

関口氏の技術は、誰でも簡単に歩行分析を行うことができるものです。例えば病院や介護施設等へ提供することで、患者により適切な治療法を早期に提案出来ることや、リハビリ時の通院の負担を減らせるといった可能性も考えられます。
「仙台スタートアップスタジオ ハンズオン支援プログラム」においては、歩行評価システムの開発、そしてそのシステムを用いた適切なユースケースの探索・実証を行います。
 
「仙台スタートアップスタジオ ハンズオン支援プログラム」

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