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最終入店時間というハードル

当たり前のことですが、お店には開店時間と閉店時間があります
飲食店には、料理と飲み物のラストオーダー時間もあります。

【最終入店時間】というワードを数年前から見かけるようになりました。
皆さん、知ってました?

【最終入店時間】とは、入店できる時間のリミットが何時なのか?ということ。
例えば、閉店時間が24時で最終入店時間が22時だとすると、22時以降は入店できないということです。ラストオーダーや閉店時間よりも前であっても、入店可能な時間が何時なのか?という時間のこと

私も、以前にコレを知って「へぇ…なんでそんな時間を設けるんだろう?」って疑問に思っていたのですが、昨年くらいから実験的に当店でも導入していました。

なぜか?
理由はいろいろあるんですが、大きく分けて2つ。

①自店のコンセプトやこだわりを明確にしておく
当店は、ゆっくりと食事とお酒を楽しんで頂くお店を目指しています。
慌ただしい毎日の中で、少しでもゆっくりとした時間を過ごしてリラックスしていただけるような空間を提供したいと思っています。なので、0次会でサクッと1杯だけ飲んで帰るようなスタイルはオススメしていませんし、1次会後のあと少しだけ話したいけどお酒はほとんど飲まないし食べ物もいらないような場合、当店を初めて利用するお客様には特徴や利点を感じてもらいにくいと考えています。
さらに、調理も1人で担当しているのでチェーン店のようにパパッとすぐには出せません。以上のような理由から、当店を初めてご利用いただく際はある程度の余裕を持った時間(2時間から2時間半)でご来店してほしいという想いがあります。

②目的を持ったお客様が来てほしいという想い
これは完全に自分のエゴですが、たまたま看板を見つけて、ほとんど飲めないしお腹もいっぱいだけど試しに入ってみよう!話せる場所が欲しい的な2次会のお客様よりは、自分のお店には「前からココに来たかったんだ!」という方に来てほしいと思っています。(もちろん、前者のお客様も大事ですが…)
当店は比較的、街中にあるビルに入っているので飲んだ後のお客様が通る地域でもあります。特にビルの袖看板を作ってからは視認性が高くなったのか、たまたま見つけて入店してくれるお客様も多くなりました。

もちろん、飲食店はお客様が来店して食事やお酒を頼んでもらわないと成り立ちません。だから、といって誰でも構わず来てほしいというわけでもないんです。入店時間に限らず、ほかのお客様に迷惑をかけてしまうようなお客様などはどのお店でもお断りされるでしょう。
自分も「食事を楽しみつつ、日本酒の魅力をもっと知ってほしい」という想いから開店したので、飲めない状態でのご来店は正直、残念に思ってしまうのです。

最終入店時間を設けることによって、例えば2軒目で来店しようと思っていたとしても少し早めに1次会を切り上げて、余力のあるうちにご来店してもらえないだろうか?と。あのお店は早めにいかないと入れないから早めの時間に行ってみよう!のようなお客様が増えないか?
そんなことを考え、導入してみました。
まだまだ、認知されていないのか「え?もう入れないの?」のような方が多くて悩みが絶えません(笑)
目の前のお客様を入れたら、たとえ1杯しか飲まなくても売り上げにはなる。でも、自分の決めたコンセプトと違うことで気持ちがザワつかないか?

そんな葛藤を抱きつつも、入店時間が過ぎたら今はお断りしています

そんなにハードル高い店なんて、お客様減ってしまうよ!って思う方も多いかもしれません。

自分でもこれが正解かどうか分からないし、お客様にとっていいことなのかも分かりません。

でも、独立した時に思った「自分のお店が好きな人だけ来てくれるようなお店を作りたい」という想いに沿ってとりあえずはこれからもしばらくはやってみようと思います。

「お客様を選ぶ」
ということは
「お客様からも選ばれるお店でなければならない」

飲食店は簡単なようでものすごく難しい

10数年やっていても、まだまだ勉強することは多いですね

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