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寝るまえ読むのに丁度いい日記

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基本的に私が犯人です. (7月下旬から8月10日までの日記)

蝉の声すら聞こえない世紀末級の酷暑がガラス窓の外で猛威を振るう。千田はクーラーの効いた部屋で床に頬をつけ、90度回転した部屋を眺めている。不満気に横たわる病気がちな人間のそばで、ベージュ色の犬が仰向けで満足そうに熟睡。 日記を書かなければ、日記を書かなければ、という悪い夢のような強迫観念を後頭部にべっとりと貼り付けたまま一週間ほどが経過した。 💥💥💥 机に向かってキーボードを叩く気力がないのなら、せめてノート(noteではなく物理的な紙で出来た文房具)を取り出して枕元で

捨てられてしまう白紙を束にして5年寝かせてやっぱり捨てる (7/20-27の日記)

7月20日(土):ロシア料理とフランスのシャツ朝、犬をひと撫でふた撫でしてから支度をして大阪の九条まで行く。記憶観測史上個人初となるロシア料理に挑戦するのだ。なおこの観測にピロシキは含まれないものとする。理由はずるいから。 本町で乗り換えて最寄駅にて下車。下車後即絶叫。暑い。億単位のギャンブルに負けたわけでもないのに、視界がぐにゃりと湾曲する。 目指している店は阿波座と九条のちょうど中間に位置する。大阪の地理を知る人には、この説明だけでざっくり分かってもらえると思うが、灼

¥100

お茶飲んだコップでカルピス飲めっから (7/16-19 の日記)

夜になると家の中がコップで散らかってくる。朝昼はそうでもないのだが、20時ごろを境に奴らは途端に増殖する。「奴ら」などと軽口を叩いてはみたが完全に身から出た錆である。 たとえば、お風呂上がり。麦茶を注ぎ、天を仰ぐかのごとく真上を向いて飲み干す。葛城ミサトの飲み方を想像してもらうと手っ取り早い。ダンっと荒々しくマグカップの底を食卓に叩きつけると、その手のすぐ隣にまた別のグラスが鎮座しているのが見える。ついさっきまで使っていたものだ。あ、と情けない声が漏れる。 "入浴" という

ファラリスの雄牛、一部地域で合法化。米国製鉄業界に波紋 (7/15の日記)

最後の日記を書いてから12日が経過した。いま夜の10時なのであと2時間ほどで13日になる。前回が三度目の更新だったので綺麗な三日坊主だ。いま四度目の日記を書いているので、坊主に少しづつ毛が生えてきている。 したがって坊主は消えゆく。仏の顔も三度まで。四度も日記をつければそれは立派な継続だ。ざまあみろボケ坊主が。——いや、仏と坊主は厳密には別物だ。シルバニアファミリーと野生のヒグマくらい違う。シルバニアとペンシルべニアくらい違う。タクシーとタクシードライバーくらい違う。おおま

寝るまえ読むのに丁度いい日記_6/30, 31

恥ずかしい話だが、数えきれないほどある。 鉄板熱々オナニーの話ではない。継続するべき何かを始め、そして宣言もなく止めてしまっている有意義な行為についてだ。 季節の変わり目に思い立ってやってみる腕立ての回数は通年で30回に満たないし、リングフィットはリングロストの影響により半永久的に活動休止。実質上の解散。canonのカメラには薄っすらと埃を被っているし、4万円する自転車はタイヤに空気が入っておらず、イオンに屈して戦意を喪失した商店街のように錆びついている。YouTube

寝るまえ読むのに丁度いい日記_7/1

か細い一本道に二人の少女が並んでいるのが見える。西宮ガーデンズの屋上テラスには子連れが多い。ともすれば自分だって連れてくる側になっていてもおかしくはないが、僕の隣にいるのはインターネットで知り合った血の繋がらない生意気な高校生だ。 目の前を歩く少女たちの構図があまりにもシャイニングなので、その旨を伝える。 「シャイニング?」 「シャイニング」 「あの?」 「あの」 しばらく沈黙。 「違いますよ」 「違いますよ?」 「シャイニングってあれでしょ、壁に挟まってるオジサンの

サービス終了中止のお知らせ

こんにちは、「無資格・無免許・3,000円」のテレビCMでお馴染み、フリードクターの千田です。 いつもご愛読いただき誠にありがとうございます。 私はこのnoteで「寝るまえ読むのに丁度いい日記」と題した記事を、過去3度にわたり掲載しておりましたが、下記の理由から更新を終了いたします。 今後も安定的に更新することは非常に困難であり、せめて犬の記録に専念した方が幾分マシだという決断に至りました。「寝るまえ読むのに丁度いい日記」の定期更新を終了いたします。 ——と、考えてお

寝るまえ読むのに丁度いい日記_7/3

今日で日記をやりはじめて三日ほどになる。続くかどうか不安だ。なにせこのために夜遅くからパソコンの前に座り文章を書かなければいけないのだから。 3時45分。日を跨いぎ深夜というより早朝に近い。またしても日記を書きそびれ現時点に至る。とりあえず一旦いったん箇条書きにして寝ることにする。 日記という行為は、思っている10倍の時間がかかる。正直なところ、かなり生活を圧迫している。続く気がしない。一方で、憶えておくほどでもない日常が、記録の過程で記憶になるのも悪くはない。 3時5