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【千田琢哉の頭脳】Vol.0536(2010年7月24日発行のブログより)

ここ最近、会社で立ち上げたプロジェクトの大半が失敗に終わって気が滅入っています。従業員数も増えて無敵の成長曲線を描き続け、プロジェクト数も桁違いに増やしたのですが、未達がそれ以上に増えてきて完全な赤字になってきています。でも、プロジェクトを立ち上げ続けなければ組織としては維持できません。この矛盾で最近暗中模索しています。

(愛知県・会社経営・Tさん・男性・39歳)

結局プロジェクトの真価は10年後にしかわかりません。

仮に成功したように見えたプロジェクトも、
そう見えるのは最初の1,2年だけであって10年スパンで見たら、

堕落の始まりだった。

ということが組織にはとても多いのです。

逆に失敗に見えたプロジェクトも、

あの失敗が今の成功の母親だった。

ということも非常に多いのです。

その違いは何か。

それは、コミュニケーションの有無です。

コミュニケーションの頻度です。

どんなに素晴らしい会社でもプロジェクトの7割は、
短期間で見た場合目標に満たないで失敗という評価を下されます。

ここが大切な部分です。

目標に満たない場合、あまり深くかかわっていると、

「アイツが失敗させた張本人か」

とレッテルを貼られないように、羊の群れは一斉にいなくなります。

逃げるのです。

それが本当の失敗です。

強い組織は、見かけは失敗に見えてもその直後からずっと、
コミュニケーションを取り続けるのです。

そして遂に10年以内に実を結んでいくのです。

コミュニケーションの面白いところは、取りにくい、
話しかけにくい時こそがチャンスであるということです。

失敗して気まずい空気になった時こそがチャンスだということを
忘れてはいけません。

強い組織は、失敗した直後にコミュニケーションが活発になります。

弱い組織は、失敗した直後にコミュニケーションがすっかりなくなって
記憶から消そうとしてしまいます。

コミュニケーションの放棄は、後始末の放棄です。

選挙も1つのプロジェクトです。

選挙には広報担当、財務担当、総務担当、営業担当、調査・分析担当・・・とマネジメント能力のすべてが求められます。

選挙で大切なのは後始末です。

故・田中角栄さんがすばらしかったのは、
立身出世したからではありません。

負けた選挙の後、一目散に周囲がいなくなって、
よその事務所で祝杯を挙げている最中に、プレハブ事務所の掃除を
汗だくになって1人でやっていたことがすごいのです。

その時に最後まで残ってくれる有志がたった1人いればプロジェクトは
必ず成功します。

田中角栄は、総理大臣になったから成功したのではありません。

事務所の掃除をしていた名もなく貧しい頃から、
田中角栄はすでに成功者だったのです。

追伸.
選挙の醍醐味は、負けた後の事務所にある。
負けた後の事務所こそが、その候補者の全人格である。

...千田琢哉(2010年7月24日発行の次代創造館ブログより)

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