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【千田琢哉の頭脳】Vol.0076(2009年4月20日発行のブログより)from次代創造館秘書室

周囲の中小企業は今、ホームページブームです。私も乗り遅れないようにしなければ、と考えいろいろ見積もりを取っているのですが、業者によって10倍以上も違いがあります。イマイチ信頼できませんが、よいホームページのコツというか、本質のようなものはありますか?

(神奈川県・会社経営・Hさん・男性・47歳)

あくまでも、ヒト・モノ・カネが比較的不足している
中小企業向けのアドバイスとして的を絞ります。

ホームページで大切なのは、リアル営業もできていて、
その上でホームページもしようと思っているのか、
リアル営業がダメだからホームページに逃げようと思っているかを
きちんと理解しなければならないということです。

これは、似て非なるもので、ぜんぜん違います。

ホームページだからこそ、
日々更新するなど手間暇をかけたアナログの力が必要になるのです。

いくらお金をかけて素晴らしいホームページをつくっても、
誰も寄り付かない、1円も売上が出ない、
ということは当たり前のようにあります。

結局は、サービス力が非常に大切であり、最終的には人対人になるのです。

だからといって、ホームページは必要ありません、
というのでは、寂しいですし、これから先、
生き残るにはちょっと頼りないものがあります。

現に新しく取引を始めようとする際に、ホームページを見て
参考にすることは常識になっていますし、
ホームページすら存在しなければ、土俵にも上がれなくなっています。

また、ホームページそのものよりも、新しいものに対して挑戦するとか、
時代に乗り遅れないようにすることが大切である、
という意味においてもやはりホームページは必要です。

業者によって価格の上下差が激しいのは、
その業者の性格がそのまま出ているだけで、
ホームページの良し悪しにはほとんど関係ないと思ってください。

この業界では、“デザイン料”とか“企画料”なる意味不明の怪しいメニューが載っていますが、これが際立って高いところは、即アウトで外しましょう。

レベルが高いから、高いわけではなく、
単に気分で高くしてあるだけですから、良心的ではありません。

それよりも、Hさんが中小企業経営者であるならば、
同じく中小企業や零細企業で、まだお客があまりいないような会社に
依頼すべきです。

業者には、依頼するのではなくてこちらがコントロールして使いこなす、
くらいの気概がなければ経営者ではありませんし、
いいように利用されてお金をむしり取られてポイ捨てです。

ホームページ製作業者には、業績に対する責任は一切ありませんので、
自分たちの実験台に使われた揚句、高額な料金を請求してくるというのは
少なくありません。

一番よいのは、紹介であり、実際に納得いくまで面談すべきです。

料金については、ホームページの中身によりますが、
最初は30万円程度を目安にして商談に臨むといいでしょう。
※もちろん、ブログを発展させてホームページのように仕立ててしまう
 などのテクニックは溢れており、10万円やそこらでそれなりのものを
 仕上げる業者もあります。

あと、ランニングコスト(毎月の維持費と捉えてください)も大きいです。

わずか5000円の違いでも1年間で6万円。

1万円の違いなら12万円で、
イニシャルコストを安く見せかけておきながら、
ランニングコストで上手に稼ぐところもありますから、注意が必要です。

ランニングコストは諸々含めて、
毎月定額型にしておくのがよいと思います。

目安は、1万円なら安く、2万円なら普通、と考えてください。

私自身、コンサルティング会社時代に、散々ホームページ業者と
クライアント先で面談をしましたが、
見積額と技術力はまったく比例していませんでした。

私の同業で、独立された先輩がいらっしゃり、
その会社のホームページを見た際に、この先輩は器用だから
自分で苦労して作ったんだなぁ…と尊敬していたら、
何と!500万円かけたというのです。

あまりのダサさと、成果のなさに、腰を抜かしそうになりました。

そのくらいに、ホームページというのは、
いい加減に値段をつけることができるので、

・30万円を一つの目安(もちろん、安いに越したことはない)、
 ランニングコストもきちんと聞いておく
・紹介によるもので、あまり実績がないが、真剣にやってくれそう、誠実
・やり取りのレスポンスが速い

という基準を設けてください。

ろくに仕事もできず、まったくIT音痴だった人に限って、
いざホームページをつくり始めると急にうるさくなってかっこよさに
こだわり始める人がいますが、典型的なダメ社長です。

こうした人は、同業の会社のホームページを

「よくあんなかっこ悪いホームページでやっていられるなぁ」

とボヤくものですが、力を入れてもアクセスのないホームページの方が
圧倒的にかっこ悪いことに気づいていないのです。

詐欺に遭って周囲からバカにされているにもかかわらず、
本人はかっこいいと思っているタイプです。

水準以上になると、ホームページがデザイン力ではなく、
アクセス力、厳密にはお気に入り登録率、
最終的には収益こそがすべてになります。

ダサくても、シンプルでも、最新型でなくても、
支持されるホームページはたくさんあります。

むしろ、当たっているホームページはアナログっぽくて
毎日何かが変化している生き物です。

従業員が高々数人や10人そこそこといった会社で気持ち悪いくらいに
整ったホームページは、逆に自信のなさの裏返しであり、
中身がないものが少なくないようです。

Hさんの周囲で“業績”という視点から実績のある会社の
3社のホームページをじっくり観察して、
それらを作成した業者を紹介してもらい、
長期的なお付き合いを前提にパートナーとして選ぶのがベストです。

何を隠そう、私がそうしています。

ホームページは業者選びですべてが決まります。

...千田琢哉(2009年4月20日発行の次代創造館のブログより)

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