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【千田琢哉の頭脳】Vol.0023(2009年2月26日発行のブログより)from次代創造館秘書室

会社経営に行き詰まってます。あれこれセミナーを聴きに行ったり、ビジネス書をむさぼり読んだり、コンサルタントのような人に何十人と相談したりもしましたが、これというものが見つかりません。千田さんにとって、勝つための経営戦略とは何ですか?ひと言で教えてください。

(宮城県・会社経営・Mさん・男性・55歳)

何をそぎ落として、何を活かして、どこに向かうのか

です。

そぎ落とすものは、Mさんの会社の見栄とか偽物の長所です。

虚栄心と言ってもいいかもしれません。

こう見られたい、こう評価されたい、
というものと顧客から見られているもの、
評価されているものが必ずしも一致するとは限りません。

というよりも、ずれていることが大半です。

私がコンサルティング会社時代に大型プロジェクトに取り組んだ際に
最初にこの虚栄心である“偽長所”を発見し、
そぎ落としてもらう作業に入ります。

女性に例えましょう。

気遣いや、やさしさ、あたたかみ、
といった性格でモテていた女性がいたとして、
彼女自身は周囲は自分の美貌を評価してくれてモテている、
と勘違いし、外見にすべてのエネルギーを費やすのはどうでしょうか。

明らかに努力の方向が間違っていますし、
時間とともに確実にモテなくなっていくのは目に見えています。

人も企業も、天から与えられたgifted(才能)を活かして
人生を送るために生まれてきたのに、
たいていの人はそこから目を背けて世の中の流行や虚栄心や嫉妬心から
ズレた努力をはじめます。

もちろん、あなたの魅力を汚すほどの大きな欠点は
何が何でも修正する必要がありますが、
単に苦手だとかいくらやってもたいして身にならない、
というものはあっさりそぎ落とすべきです。

活かすものは、先ほどのgiftedです。

きちんと顧客に本心から良心に基づいてヒアリングしたり、
Mさんの周囲に耳を傾けるのもよいでしょう。

意外な自分の長所が必ず発見されます。

自分では、男らしく責任感があると思っていても、
周囲からは女性らしくていい加減さが
魅力的だと映っていたかもしれません。

あるいは、自分では第一印象が魅力的だと思い込んでいたのが、
実は第一印象が悪く、付き合っていくうちに、
理解されるタイプだということが判明するかもしれません。

いずれにせよ、報われやすい努力をするために大切な過程となります。

そして最後に、どこに向かうのかという明確なビジョンを描いて、
それを伝えなければなりません。

ビジョンとは、文字通り心のスクリーンであり、従業員が100人いたら、100人に同じ心の映像を描いてもらう必要があります。

何度も何度も繰り返し伝える必要があります。

100通りの手段で、100回伝える必要がありますから、
同じことを10000回言うくらいでちょうどいいのです。

経営の神様と言われた松下幸之助さんは、
一つのことを最低1000回伝えたと言います。

神様でさえ、1000回伝えるのですから、
神様でない人は最低でも10000回は伝えなければならないでしょう。

...千田琢哉(2009年2月26日発行の次代創造館ブログより)

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