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【千田琢哉の頭脳】Vol.0445(2010年4月24日発行のブログより)

ベンチャー企業で働いています。就職活動のときには「うちは完全実力主義で年齢はいっさい関係ない」と強調されていたので入社を決めました。たしかにそのとおりで最短の出世コースを歩んできました。昇進のスピードはとどまることなく、役員のボードにまで名前を連ねるようになりました。ところがここでたいへんな嫌がらせ、いじめを受けています。創業メンバーからしてみたら面白くないのでしょう。トップの社長に悩みを打ち明けても、「そこはうまくやってくれなきゃ・・・」とかわされてしまう始末です・・・。もう限界なのでしょうか?

(東京都・会社役員・Mさん・男性・28歳)

私が社会人最初にお世話になった保険会社で配属前に行われた新人社員研修で教わったことを思い出しました。

新人社員研修には最短出世コースで課長になった33歳の先輩がやってきて心構えをレクチャーする時間がありました。

この人の話の内容は今でも鮮明に憶えています。

保険会社の社員らしからぬダブルのスーツでものすごいエネルギーでした。

「20代は同期とナァナァの関係になって傷の舐め合いをするんじゃなくてとにかく抜きんでろ」

他の講師たちはいかにも人がよさそうなタイプの人で
無難な講義をしてくれていたのに、
いきなり風穴をあけられたような感じでした。

でも現場から遠い研修担当者とは違って、
実にリアリティがあって面白かったのです。

もちろんその人はそんな表面上の言葉を伝えたかったわけではありません。

莫大な敷地全部が高級リゾート研修施設のような場所で
いつまでもだらだらつるんでいた私たちに向けて、
学生時代と社会人の違いをひと言で表現したかったのだと思います。

私はその時の記憶をもとに自分のその後の経験と結びつけて、

『20代で伸びる人、沈む人』(きこ書房)

という本にまとめました。

この中には「嫉妬」「陰口」という単語がたくさん出てきます。

実は「嫉妬」「陰口」というのは20代に限らず、
がんばる人に一生つきまとう亡霊です。

嫉妬の法則というのがあって、

・年齢が近いこと

・身近に感じられること

があります。

年齢が近くて身近に感じられると人は嫉妬して陰口を言いたくなるのです。

ビル・ゲイツやイチロー選手に対して嫉妬したり陰口を言う人は
あまりいないと思いますが、身近ではないからです(笑)

そして先ほどの最短出世コースを歩んでいた先輩は
案の定年上の「部下」たちから嫉妬されまくって
ボロクソに陰口を叩かれていました。

でも実際にその先輩と直にコミュニケーションを取ってみると
実に裏表がなくていい人なのです。

これが人間社会の縮図です。

嫉妬されまくって陰でボロクソに言われている人こそ、
一緒に仕事をしなければもったいないことをこのとき学びました。

あなたが別に悪いことをしていない、不義理をしていない、
と心底誓えるのに周囲から嫌がらせを受けたとすれば
それは嫉妬によるものです。

必ず時間が解決しますが、我慢ならないときには
あっさり環境を変えてしまうことも有効です。

実力があれば好不況無関係ですから。

最強の方法は独立してしまうことです。

いくら原因自分論で考えても非がない場合は、
思い切って飛び出してみるのです。

その場合どちらが正しかったのかは、
後から振り返ってみると力関係ではっきりと証明されます。

...千田琢哉(2010年4月24日発行の次代創造館ブログより)

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