【千田琢哉の頭脳】Vol.0475(2010年5月24日発行のブログより)
成功のための王道は自分の強みで勝負するのは個人も組織も同じだということは繰り返し教わりました。反論の余地がないくらいにそれは正しいと思います。ところがいざ自分の強みを活かしていこうとすると、その強み自体を把握できている人も会社もほとんどいないように思います。把握しているつもりになっている人や会社は多いです。弱い部分のみはいくらでも見つかるのですが・・・。真の強みを活かすためにこそ、その強みを発掘するコツはあるのでしょうか。
(大阪府・会社員・Oさん・男性・35歳)
そもそも学校には勝つために行っていたのではありません。
学校には負けるために行っていたのです。
学校で負け知らずの人は社会に出てから手に負えない人間になります。
これは不幸なことです。
すべてのことがオール5で満遍なくできてしまったために、
何もできない人になってしまうのです。
非常に皮肉なことです。
どういうことかと言えば、結局強くなるためには
自分の強さを知ることではないということに気づかなければなりません。
人が強くなるのは自分の弱さを認めた瞬間なのです。
あれもできる、これもできる、あれもしたい、これもしたい、
という段階から自分にはもはやこれしかない、
とハラをくくった人だけが成長していくのです。
これは格闘技も同じです。
まだ若いボクサーのチャンピオンが決まって同じセリフを口にします。
「オレより強い奴はこの世にいない」
「どんな奴でもKOにしてやる」
でもこれを100%有言実行し続けた選手は未だかつていません。
周囲にきちんと認められて敬意を払われるような
真のチャンピオンはそんなセリフを絶対に口にしないのです。
これはすべての道についていえることです。
上になればなるほどに自分の弱さがよくわかってきます。
勉強すればするほどに全宇宙のスケールの中では
針の穴の大きさも理解できていないことが実感できて
惨めな気持ちになってくるのと同じです。
その意味では一生お腹いっぱいで満足して生きていきたければ
未熟なままでいることが一番ストレスもたまりません。
残念ながら成長する道を選択してしまった場合には、
永遠に終わりがありませんから傲慢になることは一生できないのです。
負け続けた人だけが、最後の光にたどり着いたときに
チャンピオンの道が開かれます。
放っておけば子どもは子どもの一番ベストな方法で
負け続けて学習できるはずなのに、親が不自然に勝たせてしまって
バランスを崩していくのです。
お金と権力で不自然に負けるべきところを勝たせてしまった子どもは
社会に出てから負けたときに、両親に恨みを持つようになります。
感謝してもらえると思ったら大間違いです。
社会に出たら負け続けることのほうが遥かに多く、
負けることによってしか真の強みは見つからないようにできていることは
ほとんどの大人であればみんな知っているはずです。
...千田琢哉(2010年5月24日発行の次代創造館ブログより)
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