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【千田琢哉の頭脳】Vol.0166(2009年7月19日発行のブログより)

千田さんは、病院のコンサルタントをしたことがあると聞きましたが、よくあちこちの業界をできますね?いくらなんでもわからないことだらけでたいへんではなかったですか?それとも様々な業界のコンサルタントができるような何かコツがあるのでしょうか?

(東京都・医療法人経営・Bさん・男性・60歳)

まず最初に言っておくと、コンサルタントをしていたという意識は
私にはありませんでした。

自分で自分のことを、
経営コンサルタントだとはついに最後まで思えませんでした。

ただ、クライアントが抱えている大きな問題を解決するためには
ポイントは何で、その解決策は何かを一緒に探していくことを
していただけの話です。

別に職業の呼び方は何でもよかったというのが本音です。

もっとハッキリ言えば、経営コンサルタントという呼び方は
もう古いな、カッコ悪いな、と感じていました。

本来の経営コンサルタントとしてエスタブリッシュメントは
スゴイ人たちだったと尊敬しますが、
現在は猫も杓子も自称コンサルタントになってしまったのです。

あるセールスパーソンが、
会社の名刺にコンサルタントプランナーと刻まれて
「コンサルタントってカッコ悪いからいやだ」と言っていたのを耳にして、私はこれを確信しました。

あぁ、ついにコンサルタントもここまできたか、と。

私がやっていたことは、
業種や業界にはほぼ無関係で通用することだったと思っています。

たとえば病院の仕事をした時には、
ホテルの仕事をした時に勉強したことがそのまま活かされました。

私は入社3年間は高級ホテルでの大型セミナーを
企画・運営する仕事をしていました。

2~3日間で数千万円のお金が動くような仕事でしたが、
これがありとあらゆる業界の仕事に応用できるきっかけとなりました。

業績のいい病院とホテルの共通点があります。

それは院長と総支配人がとにかくよく歩くということです。

一流ホテルの総支配人は毎日ホテル中を歩き回っており、
引き締まった体をされている人が多いです。

呼んだらすぐに来てくれます。

二流ホテルになると総支配人はいつも出張中です。

業績好調の病院も確かに来院してくる患者さんも大切なのですが、
それ以上に院長は入院患者さんを一日に何度も見回って話しかけています。

病院中をとにかくよく歩いています。

すると部下もトップにそれだけ歩かせてはいけない、
自分が遊んでいるように見える、と反省してよく動くようになるのです。

二流ホテルでお手洗いを聞くと
「あちらです」と手を向けられておしまいです。

一流ホテルで同じことを聞くと一緒に歩いて入口までついてきてくれます。

ホテルも病院も、もともとはホスピタリティを売っているわけですから、
同じ業界です。

ところが同じ業界にもかかわらず、
平均したら病院のほうがサービスレベルが圧倒的に低いのです。

病院だから仕方がない、と意味不明の言い訳を振りかざしていたところが、今まさにバタバタと潰れています。

今までが異常だったのであり、これからが正常なのです。

何々業界の専門コンサルタントという人は、
その業界で何十年働いている人には知識では絶対にかないません。

ですから知識や情報格差で勝とうとしては完敗です。

またその業界の出身者であれば、
何もコンサルタントなどやって種明かしなどせずに、
その業界で現役プレーヤーとして稼いだほうが絶対にいいです。

Bさんは医療法人を経営されているということですが、
ぜひ他業界のサービスをふんだんに受けて、
経営にとことん活かしてください。

ヒントは無限にあります。

○○業界専門という人は、そのままずっと続けていると
専門バカではなくただのバカになってしまう可能性が高いです。

...千田琢哉(2009年7月19日発行の次代創造館ブログより)

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