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【千田琢哉の頭脳】Vol.0538(2010年7月26日発行のブログより)

新刊『転職1年目の仕事術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を拝読しました。すでに転職1ヶ月が経過したところでしたが、失意のどん底で自分に降りかかった災難はすべて1社目に経験していることであるという部分に酷く感銘を受けました。原因をすべて他に求めようともがいていましたが、結局はまったくその通り、原因はすべて自分の1社目に行き着いたからです。転職前はいいことばかりをイメージしていましたが、今となっては1社目に気づかされなかったことを改めて気づかされながら成長していっていることに対して深く感謝することができるようになりました。やっぱり人間は素直さがなくなったらおしまいなのですね。

(福岡県・会社員・Yさん・男性・36歳)

転職をすると何が快感かといえば、
もう一度下っ端からスタートできることです。

積み上げてきたものをぶち壊すことほどの快感は、
ぶち壊した経験のある人にしかわかりません。

よくある勘違いは、転職をしたらキャリアアップできるという勘違いです。

ところがキャリアアップか否かは本人が決めることではなくて
周囲が勝手にそう評価することです。

だから、自分の転職はキャリアアップしていると余韻に浸っているのは
決してキャリアアップではありません。

たとえば、芸能人として大成功した人が政治家になろうとします。

これはキャリアアップではありません。

芸能界にそのまま残れば大御所としてふんぞり返っていることが
できたのに、政治家になったらまた新入社員として
0からスタートしなければなりません。

「お笑い芸人が政治家なんて10年早いんだよ」

と何のリスクも背負っていないお茶の間の一般の人たちに
非難されてしまうのです。

それでも、今までの実績をガラガラと崩してしまって
再出発するのは快感なのです。

計算機のオールクリアボタンを人生で押すと、
また初々しい青春を謳歌することができます。

鼻たれ小僧として叱られます。

叱られるために転職するのです。

叱られる環境に身を置くと、そのヒントはすべて今まで自分が経験してきたことの中にあるということに気づくのです。

不思議なことに、自ら気づいて日々の行動を改めるまでは
何十回、何百回でも同じカードを投げ続けられることになります。

だから、どんなにもの覚えが悪くても安心です。

ありとあらゆる手段を使って、自分で心底素直になって認めるまで
永遠に災難が降りかかります。

別に逃げてもいいのです。

逃げるのもそれはそれで正解です。

しばらくしてから、単に別の変化球を投げられるだけだからです。

病気になったり、身内に不幸が起こったり、偶然の事故に遭ったり、
というのは必然なのです。

子どもが障害を持って生まれてきたら、それは不幸なのではありません。

自分自身が子どもから教わらなければならないことが
山のようにある証拠です。

お金の力や権力で無理矢理自然の摂理に背く行為をして
辻褄を合せようとすると、時間を経てもっとも自分が見たくない不幸が
降りかかってきます。

でもそれは不幸でも何でもありません。

100%自分に原因があります。

非常に理に適っており、
ジグソーパズルのようにピタリと絵が完成するのです。

偶然の地震や台風や火災がないのとまったく同じことです。

必ず結果には原因があります。

宗教でも科学でもなくごく当たり前の話です。

無理に素直になる必要なんてありません。

その代わり、素直になるまでありとあらゆるカードが
自分に降りかかってくるだけの話です。

1回で気づく人と、100回で気づく人と、1万回でも気づかない人に
分かれるのです。

遠回りして死ぬまで気づかずに終える人生もまたいいでしょう。

転職というのは、ほんの些細な話です。

でも、転職のような些細なことでも、非常に多くの収穫があるのです。

たかが転職、されど転職です。

...千田琢哉(2010年7月26日発行の次代創造館ブログより)

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