見出し画像

【千田琢哉の頭脳】Vol.0035(2009年3月10日発行のブログより)from次代創造館秘書室

私はクライアント向けのプレゼンテーションや社内でのコミュニケーションでいつも「話がわかりづらい」と言われ続けてきました。スピーチの上手い人のテープを聴いたり、セミナーに参加したりしたものの、あまり能力が向上したとは思えません。何かアドバイスいただけませんか?

(埼玉県・教育産業勤務・女性・Mさん・34歳)

以下のポイントを試されるだけで、かなり改善されると思います。

1.具体的に話すこと
2.心に同じスクリーンを描いてもらうこと
3.10準備したうち、1伝われば御の字と感謝すること

1.については、具体性というのは
数値と固有名詞を取り入れるということです。

数値と固有名詞を含まない話は、
抽象的になりますから、わかりづらいです。

数値と固有名詞が入っていると、
よくわからなくても記憶に残りやすいのです。

たとえば、私は就職活動のときに面接の自己紹介で、
「筋トレで、大学3年間で体重1.5倍になりました」
とどの会社でも伝えていました。

実際に、入学時65㎏だった体重が4年生の春先には100㎏近くになり、全国学生選手権に向けて調整中でしたから、
ドラム缶のような体をしていました。

すると、面接官の中には「体重1.5倍の学生」という噂が独り歩きして、集団面接でも質問が私一人に殺到します。

「金融ビッグバンについてどう思う?」という金融機関の質問に対して、「あの、何かヤバイことあったんですか?」と聞き返したり、
大手予備校では「どうしてキミはこの業界を受けたの?」
という質問に対して、
「カリスマ講師になれば、早めに生涯賃金が稼げると思ったから」
と答えて、いずれも内定をもらいました。

良くも悪くも、記憶に残りやすいのです。

2.については、聴き手に対して、
心のスクリーンに同じ映像を映しながら描写していくつもりで
話してみるということです。

左脳で説明しようとすると周囲は眠くなります。

わかりづらい家電製品の取り扱い説明書を棒読みされている感じです。

正しいのですが、
別にあなたが話さなくてもいいんじゃない?というものです。

相手にわからせようとするのではなく、
自分が整理するために話しているのではないか、
という人も少なくありません。

ひょっとしたら、本人もわかっていないのではないか、と思えるほどです。

そうではなくて、聴き手が心にスクリーンを持っており、
そのスクリーンにMさんと同じ映像が映っているかどうかを
確認しながら話を進めるのです。

話のわかりやすい人、ウトウトしていたのに
ついつい顔を上げさせてしまうような人というのは、
例外なく話がイメージしやすいからです。

決して論理的なことがすべて正しいわけではなく、
イメージしてもらいやすいためには、寄り道しても、
蛇足が多くても、いいのです。

3.については、全部伝えようと思わないことです。

全部伝えようと必死な人は、結局全部話さなければならないという
自分の仕事の都合を優先しており、
聴き手の気持ちをまったく無視しています。

これは、一番ダメなパターンです。

準備を10しても、相手に伝わるのはせいぜい1だと考えてください。

10伝えたければ、あなたは100の準備をしなければならないのです。

100の準備をして、90を捨てることができれば、
相手にはその切り捨てた90が魅力となって、オーラとして伝わります。

逆に、10の準備しかしていないのに、
90伝えようとしてがんばってしまうと、
差額の80が余裕のなさ、わかりにくさとして伝わり、
負の評価を受けてしまうのです。

ぜひ、以上を踏まえた上で再チャレンジし、
明るい毎日を送っていただくきっかけを
掴んでいただければと思います。

...千田琢哉(2009年3月10日発行の次代創造館ブログより)

↓千田琢哉のコンテンツ↓

🔷千田琢哉レポート
文筆家・千田琢哉が書き下ろした言葉を毎月PDFファイルでお届けします。

🔷真夜中の雑談~千田琢哉に訊いてきました~
文筆家・千田琢哉があなたから頂いたお悩みに直接答える
音声ダウンロードサービスです。毎月1日と15日発売!
“毎月1回の飲み代を、毎月2回の勉強代に”