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【千田琢哉の頭脳】Vol.0417(2010年3月27日発行のブログより)

先日ホテルに宿泊した際にある業界の営業マンが参加する盛大なパーティーが開かれていました。すごく怖いと思ったのは有名人を招いてドンチャン騒ぎをやっていただけではなく、普段自分が接しているその業界の人たちが見せる姿とは全く違ってとても偉そうだったということです。こんなことをするために自分たちは高いお金を払わされていたのか・・・と思うとウンザリします。逆に自分の会社や業界もこれを反面教師として戒めにしなければならないな、とゾッとしました。

(北海道・会社経営・Oさん・男性・45歳)

これからの時代は稼いだお金の使い道が
今までの何百倍も問われる時代だと感じています。

個人も会社もです。

稼ぎ方よりも使い方に知性が問われます。

ある業界が軽蔑されているとします。

それはエンドユーザーに最も近いセールスの人たちが
軽蔑されているのです。

それがその業界の地位を決定づけます。

たとえばトップセールスの人たちの多くが稼いだお金を
湯水のように風俗に使っているとします。

それを見た人、知った人たちはその業界を尊敬できるでしょうか?

お店の女の子たちはあちこちで口コミを拡げます。

どんな仕事の人たちが常連客かなんて
簡単にインタビューで教えてくれます。

自分で稼いだお金をどのように使おうと勝手だろう、
というのは一見正しいことです。

でもお金は天下の回りものに過ぎません。

たまたまその人のもとにあるだけで、
本当はずっとその人のものではないのです。

土地と同じです。

お金も土地も本質的にその人のものということはありえません。

海外でトップセールスの人たちがとんでもない豪華なホテルで
表彰式を挙げているとします。

芸能人も呼んでいます。

偶然それを見た日本人の観光客は気持ちよいと思うか、ということです。

別にいいじゃないか

というのはもちろん勝手です。

法律的にも間違っていません。

でも

別にいいじゃないか

の基準こそがその業界の社会的地位を決定づけていくのです。

法律に触れないことこそが最もたいせつなことです。

以上のことはわかる人には一瞬でわかりますが、
わからない人には何百時間説明してもわかってもらえません。

私がコンサルティング会社で上場飲食業のプロジェクトをしていた時にも
この話をいくらしても理解できないメンバーがいました。

いくら店舗で偽物の笑顔や偽物の接遇をされても無価値であり、
その店員たちのプライベートのふるまいこそが
決定打だと私は主張し続けました。

メンタリティというのは頭のよさではないのです。

いろんなところで本物を見て、感じて、恥をかいていくことが
メンタリティを磨いていくことです。

換言すれば心が傷ついた回数です。

人の痛みを感じた回数です。

仕事上で接遇マナーをしっかりするのは、当たり前です。

これさえできない会社はさっさと倒産しなければなりません。

もう一度0からスタートしなければ世の中の害だからです。

そうではなくて、プライベートでのふるまいこそが
その業界の本質が問われるところなのです。

プライベートで運転中にタバコのポイ捨てをしている社員のいる会社から
サービスを受けたいと思う人はいません。

サービスを提供したことによってお客様からいただいたお金の使い道まで
問われるのはかなわない、と思うかもしれません。

でもこれからはそういう時代が当たり前になります。

社長の愛人を養うために
その会社のサービスの単価を上げられたいと思う人がいるでしょうか。

これからますますいい時代になっていくのです。

...千田琢哉(2010年3月27日発行の次代創造館ブログより)

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