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【千田琢哉の頭脳】Vol.0470(2010年5月19日発行のブログより)

リスクマネジメント能力がオマエには不足していると上司によく注意を受けます。リスクマネジメントの書籍を読んで勉強したり、社内講習を受けたりして自分なりに改善しようとしているのですが、客観的に見たら成長していないそうです。リスクマネジメントって簡単に言うとどんなことなのでしょう?やはりそもそもきちんと理解していなければ改善しようにも改善の行動に移すことができません。また、どうしたら身につけることができるのでしょうか?

(茨城県・会社員・Sさん・男性・31歳)

リスクマネジメントというのは巻き込まれない力です。

原因を自分以外に求めるのではなくて、
自分自身に求めて巻き込まれないようにリスクから距離を置くことです。

先日ホテルでフレッシュジュースを頼んだ際に、

「オレンジとグレープフルーツとトマトジュースがございます」

と案内してもらいました。

フレッシュジュースとは搾り立てジュースのことです。

通常1000円未満ということはありません。

トマトジュースのところで、

「ん?」

と不思議に思ったのですが、私はオレンジを頼みました。

メニューはいっさい見ることなく頼んだ私が間違っていました。

いかにも缶ジュースからそのまま注がれたような
薄い色をしたオレンジジュースが運ばれてきました。

飲まなくてもわかります。

フレッシュジュースは細かい果実がビッシリと浮かんで淀んでいます。

均一の色ではありません。

清涼飲料水のオレンジジュースはすべて均一に薄くてクリアです。

実はフレッシュジュースを頼んで外したのはこれが初めての経験でした。

以前ある社長がホテルで1100円のオレンジジュースを注文したら
フレッシュジュースじゃなかった、と言っていました。

確かにこれはほとんど犯罪です。

1100円もらっておきながら普通の清涼飲料水というのはありえません。

私はと言えば案の定480円でした。

不思議と腹が立ちませんでした。

ここから何を学んだかというと、
違和感を抱くくらいに数をこなせるようになると
その分野については進化したということだな、ということです。

同時に、違和感を抱く力、気づく力こそが、リスクマネジメントなのです。

今回の場合、私の落ち度としては2つありました。

1.メニューを見なかったこと

2.トマトジュースのところでフレッシュジュースではないかもしれないと気づかなかったこと

です。

この2つを怠らなければたとえ新人さんのウエイトレスさんが
間違えていても、気づくことができるはずです。

車の運転も同じです。

交通事故に巻き込まれやすい人と巻き込まれにくい人が確実にいるのです。

巻き込まれにくい人というのは、
瞬時に前後左右で怪しい車を見抜いて近づかないように
間に車をガンガン割りこませて、車間距離を大幅に取ります。

あるいはのろまで危険な車であれば、さっさと抜かしてしまいます。

巻き込まれやすい人というのは、危ないと文句をぶつぶつ言いながら
接近していきます。

リスクマネジメントというのは何も難しくて複雑なことではありません。

ちょっとした危険に気づく力を小さな失敗をたくさん経験しながら
身につけていくだけです。

そして、相手を変えようとするのではなく、
原因自分論者として自分が変わっていこうと
決断して行動に移していくことです。

これは勇気です。

...千田琢哉(2010年5月19日発行の次代創造館ブログより)

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