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【千田琢哉の頭脳】Vol.0020(2009年2月23日発行のブログより)from次代創造館秘書室

都会と田舎では土地の値段がまったく違います。呆れるほどに値段の高い都会に住んだ場合のメリットっていったい何でしょうか。そしてそれらは値段に見合ったものになるのでしょうか。

(熊本県・会社員・Tさん・男性・43歳)

土地の値段は、チャンスの値段です。

たとえば、田舎の10倍する高級な土地に住んでいたとすれば、
自分から交通費や時間を使うことなく、
相手に来てもらうことができます。

また、周囲に住んでいる人たちも概して文化水準が高いわけですから、
そういった周囲の環境を一緒に購入しているといってもいいでしょう。

田舎では、人の温かみや雄大な自然といったよい部分もあるでしょうが、
サービスの悪さは否めません。

スーパーのレジのおばさんは、いったい何が楽しくて生きているのだろうと思うようなブスッとした愛想の悪い人も当たり前にいます。

田舎の高級旅館が衰退しているのは、本人たちのプライドの高さと、
サービスのレベルが一致していないからに他なりません。

田舎くさい上に、サービスも悪いのに、元・一流旅館だった、
昔はこんなに偉い人が来たことがある、歴史が長い、
など現在の実力とは何の関係もないような
たちの悪いプライドのみを持っているのです。

このままいくと、自分たちは単なる落ち武者になってしまうことに
早く気づかねばなりません。

たとえば、
超高層マンションで最下層は、2000万円台や3000万円台で
最上階が1億5000万円という物件があるとします。

こうした物件の1億5000万円というのは見る人が見たら嫌がります。

それよりは、最低価格が1億円で最上価格が10億円という
マンションの1億円の物件に住みたいのです。

ちなみに、2000万円台や3000万円台の住人は、
一般に30年や35年と目一杯の期間でローンを組み、
「自分が死んだら、ローンはちゃらになる」と誇らしげに語るような
感性の持ち主も少なくありません。

一方で1億円以上のマンションに住んでいる人たちは、
現金一括で購入している人が多いというのが現状です。

要はTさんご自身が、どのような世間で生きたいかが
大切だということです。

実力以上にお金と名誉を与えられると、結末は悲惨なことになりますが、
概してお金と地位を手に入れると人はまともなことを言い始めるものです。

本質的なものかどうかは別ですが。

私は都会に住むことをすすめているわけではありません。

現に今私が住んでいるところは、大阪の地方です。

サラリーマン時代に単に空港にとても近くて便利だから
という理由で購入しただけです。

年間に最低でも50回以上飛行機を利用して、
全国各地のホテルで生活していましたから、
それが最も合理的だったのです。

東京の中枢から北海道、九州まで全国の長期出張を経験すると、
土地の値段にはすべてきちんとした意味があることに
気付かされます。

土地そのものを購入するのではなく、
Tさんの世間とチャンスを購入するつもりで考えてはいかがでしょうか。

実力もないのに、一等地で商売をすると、
実力以上に客足が途絶えない状態が続き、
それが当たり前と勘違いしてサービスが劣化し、
間もなく消え去っていく会社も枚挙にいとまがありません。

...千田琢哉(2009年2月23日発行の次代創造館ブログより)

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