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【千田琢哉の頭脳】Vol.0100(2009年5月14日発行のブログより)from次代創造館秘書室

経営コンサルタントになりたいです。しかし、周囲に相談してみると、経営コンサルタントになるにはこんなことも必要だ、あんなことも必要だ、あるいは、ギャンブルの人生を選ぶようなものだ、使い捨てにされるだけでリスクが高すぎる、など悲観的な声ばかりです。千田さんから見た経営コンサルタントにとって必要とされる素養は何でしょうか?

(東京都・会社員・Aさん・男性・26歳)

以下、不動産コンサルタントとか、ファイナンシャルプランナーや税理士といった広義のコンサルタントでなく、純粋な経営そのものに特化した
コンサルタントについてAさんの質問に対して回答していきますね。

経営コンサルタントとして成功されている人の共通点は、皮肉な話ですが、

もともと経営コンサルタントになりたいと思ってなかった人

が圧倒的に多いです。

少なくとも私の知る限りでは、経営コンサルタントになりたくて
仕方がなかった、というような人で成功している人は周囲に
ただの一人もいません。

たとえば、日本を代表する経営コンサルタントである大前研一氏は、
ご存知のように入社直後も経営コンサルタントという職業すら
知らなかったといいます。

何の研究をさせてくれるのだろうと
ドキドキワクワクハラハラしていたらしいです。

それまでひたすら理科系で原子の研究に没頭し、
テレビも新聞も読んでいなかったらしいですね。

しかし、この人がいなければ、日本のコンサルティング業界は
今のようにはならなかったといっても過言ではありません。

そのくらい、業界に対してインパクトを与えました。

もう一人の堀紘一氏もそうですが、ジャーナリストと商社勤務を
経験されていますが、それらの会社に勤務していた頃は、
経営コンサルタントの“ケ”の字も知らなかったはずです。

しかし、経営コンサルタントとして一流になっただけでなく、
自ら起業家としてもわずか5年余りで東証一部上場企業を
創り上げています。

経営コンサルタントは机上の空論だけだ、
といった「イメージ」を打破しました。

実際に、経営コンサルタントにとって、
「イメージ」や「常識」に寄りかかってしまうという人は致命的です。

率直に申し上げて、そういった人は100%使い走りで終わります。

経営コンサルタントにとって大切なのは、「事実」です。

「ファクト・ベース」と言いますが、「事実」をひたすらかき集めて、
それをロジック(論理)で組み立てて、それを検証します。

それをいかに効率よく最終アウトプットにクローズしていくか、
これがすべてです。

つまり、Aさんのように、周囲の意見に惑わされるようでは、
もっとも経営コンサルタントに向いていないタイプなのです。

実際にはどうなのか自分自身で確認しなければスタートラインにすら
立つことができません。

これについては、他業界のサラリーマンから見たら病的なほどでしょう。

経営コンサルタントとして一流の人は、
ハッキリ言ってどこかの会社の社長をやってみたり、
起業してみたりしたら、その他業界のサラリーマン出身よりは
遥かに成功率が高いのです。

逆に、もともと社長が務まるような人や起業しても成功するような人が、
たまたまコンサルティング業界で働いている確率が
高いのに過ぎないのです。

過酷で使い倒されるのも、主に下っ端の修行僧だけであり、
ある水準以上になれば、むしろ優雅さや余裕がなければ
クライアントにもいい提案ができませんし、
経営者にアドバイスなんてできません。

連日徹夜で常に期限に追われながら、シャワーも浴びていないような、
目の下にクマができているような人のアドバイスを聴いて
経営に活かそうとする人はいません。

以上を読んでAさんが、

「よし、では事実かどうか自分で確かめてみよう」

と思えたら経営コンサルタントに向いています。

逆に、

「それは大変そうだ、両親に相談してみよう」

と思ったら、今の会社を辞めてはいけません。

...千田琢哉(2009年5月14日発行の次代創造館のブログより)

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