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【千田琢哉の頭脳】Vol.0444(2010年4月23日発行のブログより)

今まで新規の開拓などせずとも、紹介だけでサービスが成り立ってきたのがちょっとした自慢でしたが、ここのところ紹介がまったく発生しなくなりました。契約をいただいたお客様に対して「紹介をください」「紹介キャンペーンをやっています」と会う度に毎回必ず声をかけるようにしてきましたが、導入期はそれなりに成果が挙がっていたのですが、ここ1年半ほどの間は紹介が発生しないどころかリピート率も下がってきており、そのまま会社の業績も減収減益になってきてしまいました。やはりこれからは新規開拓に力を入れるべきでしょうか?

(埼玉県・会社経営・Tさん・男性・37歳)

人の紹介は簡単にはしてはいけないというのが私の持論です。

今まで散々マーケティングのコンサルティングをしてきて、
「リピーター」と「紹介」を発生させる仕組み作りを手伝ってきました。

だからこそ強く思うのです。

特に「紹介」が発生するということはかなり感謝すべきであるということを、です。

よく保険のセールスで、

「紹介ください」と平気で言ってくる人がいます。

まずはこの言葉の重みに気づくメンタリティーが求められます。

保険に限らずどの業界でも「紹介」「紹介」とうるさくなってきました。

でも「紹介」などというものは自分で催促するものではなくて
相手が自ずからしてくれるものです。

「いや、そんなことを言っていたらいつまで経っても
紹介がもらえない・・・」

という悲鳴が聞こえてきそうですが、
それが当たり前なのであって正しいことなのです。

「紹介」を強要したらそれは売り込みです。

ドアに片足を挟んでいる新規開拓の勧誘員と何ら変わりはありません。

無理に紹介をもらおうという、
その積み重ねがその業界の評判を悪くしているのです。

簡単に紹介をもらえると勘違いしている人ほどサービスが悪いです。

既存顧客のことを「紹介マシーン」としか考えておらず、
すべての人望を崩壊させていきます。

こうした人と関わったらたいへんです。

「紹介」はあくまでもしたいと思ったほうが一方的にするものであって
お願いしてもらうものではありません。

「紹介」をもらうためにサービスを提供しているのではなくて、
目の前のお客様に料金以上の価値を提供するために
まずは成すべきサービスを成すことです。

営業力が物を言う業界というのはたいてい世間から疎んじられています。

業界内にいる人たちは絶対に気づきません。

でも10年経ったら市場が完全に枯渇してきますから、
否が応でも今までやってきたことがいかに迷惑だったのかを教えられます。

もらおうもらおうという姿勢では、
相手はいかに逃げるのかを考え始めます。

自分がお金を払うことに「安い」と納得感を持っていない人が
他人を紹介することはありません。

私自身も人の紹介を随分してきましたが、
その大半は後悔で終わっています。

簡単に人を紹介すると相手は感謝の気持ちが芽生えないからです。

偶然お互い紹介されたもの同士が恩知らずのこともあり、

「類は友を呼ぶだな・・・」

と思わず他人事のように笑ってしまうこともあります。

紹介が当たり前になったら、
紹介した人へのサービスに心がこもらなくなります。

無意識に高飛車になっているのです。

すると紹介された人も紹介した人に対して疑問を持つようになりますから、今までの信頼関係も崩れかねません。

逆に言えば、

「いい営業マンを紹介してくれない?」

と頼まれた人にしか紹介してはいけない、ということです。

仮に紹介した人の相性が合わずに失敗だったとしても、
自分の責任だったと思えなければなりません。

中には紹介してもらったにもかかわらず、不満を漏らす人もいます。

これではアラフォーの独身女性がお見合い写真を眺めながら
写真の男性の欠点をあげつらって
不平不満を並び立てるようなものなのです。

傍から見たら痛々しい事実も自分のことになると
まったく気づかなくなってしまうのです。

...千田琢哉(2010年4月23日発行の次代創造館ブログより)

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