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【千田琢哉の頭脳】Vol.0242(2009年10月3日発行のブログより)

私はよく周囲に音楽や映画、書籍を紹介されます。自分からすすんで購入することはほとんどありません。私から紹介することはほとんどないのですが、紹介されたものを実際に相手から借りてみるとすごく役立つことが多いのですが、ちょっと罪悪感というかこのままではいけないな、というような気持ちに襲われるようになりました。何というか、なぜか相手と距離ができているというか、不安になるのです。やっぱりこのままではいけないのでしょうか。

(愛知県・会社員・Oさん・女性・29歳)

たとえば、本を紹介されたとします。

しかもこの本のこの部分を読んだらいいよ、
という具体的なところまでアドバイスをいただいた。

すると不思議なことに多くの人たちが
「こんなに簡単に教えてもらえるのだったら情報や知識はタダでもらえて
当然、お金や時間を費やすのは損だ」と考えてしまいます。

そのうちそうした幸運に気づく力すらなくなってしまいます。

しかし本を紹介する立場と
紹介されて「こんなものか」と思う立場とでは雲泥の差です。

単に流行モノを気分で紹介される場合は
例外としてOさんのために紹介された場合です。

相当な差があると思わなければなりません。

なぜなら本を紹介する立場の人はすでに何百冊や何千冊といった本を
読んでおり、その中から相手にとってドンピシャなものを
提供してくれているのに対して、
紹介される側の人は1冊も本を読まずに単に受け身の姿勢だからです。

単に受け身の姿勢の人というのは雛鳥と同じ状態で
口をあんぐり開けてまっている状態です。

あちこちで獲物(情報)を探している親鳥とはまさに対極の立場であり、
ステージが違うのです。

以上の重みをきちんと受け止めている場合は、
紹介される側の人は今度は紹介する立場に回らなければならないと
気づくようになります。

紹介する立場の人は「膨大な質と量の情報を獲得する」というステップ1と「相手の状況を把握する」というステップ2を踏まなければならず、
これは人生において成功を獲得するのに必要な素養です。

自己を高め(内部)て、相手の立場(外部)に適応させるということは
どんな職業に就いてもどのようなポジションにいても同じことだからです。

ですからOさんはまずはそこからスタートしてみると
生きるベクトルが大きく変わっていくと思います。

正しいベクトルなどありません。

すべてはエキサイティングなベクトルと退屈なベクトルがあるだけです。

本を紹介する立場と本を紹介される立場とではそれまでの蓄積に
1000倍の差があると気づくところからすべてが始まります。

何気ないたった一行の言葉に辿り着くには
それこそ途方もない相手の努力量に対して感謝しなければならないのです。

その感謝に対してまた別の能力で応じなければ継続的な付き合いは
無理なようにできています。

...千田琢哉(2009年10月3日発行の次代創造館ブログより)

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