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【千田琢哉の頭脳】Vol.0586(2010年9月12日発行のブログより)

最近業績悪化のためか、主商品の値段を下げておきながら、オプションで稼ごうという魂胆が見え見えの商売が増えてきて憤りを感じます。肝心のサービスが低下しているのに、押し付け営業されるのは不快です。千田さんはサービスに厳しそうですが、いい店の目利きの仕方とかご自身で決めているノウハウがあればご教授ください。

(兵庫県・会社員・Kさん・男性・44歳)

私はイケてない店のリピーターになることが好きです。

決して、マゾではありません。

もの凄く勉強になるからです。

もちろんイケている店にも行くことがありますが、
イケてない店のリピーターになって、
経営が悪化してどのように復活していくのか、
あるいは消滅していくのかを生で感じるのです。

だから、クレームなんて言いません。

いつも、お金を支払う側の私が心底感謝を込めて、

「ありがとうございました」

と言います。

私はどんなにドンマイなコンビニの店員さんに対しても
必ずお礼を言います。

たとえば、今私が散髪に行っている店は、
あるクライアント先のすぐ傍です。

毎月1回訪問していますから、毎月1回はその散髪屋さんに行きます。

ちょうど1年くらい前からサービスが劣化してきました。

案の定、その2ヶ月後には店長が変わりました。

でも、その店長のやり方もドンマイだな、と感じていたら、
案の定オプションのサービスの押しつけがしつこくなってきました。

また、プライベートのことを根掘り葉掘り聞くことによって
コミュニケーションが大切だと勘違いする教育を
従業員にも浸透させてしまいました。

私もつい先日、店員さんの一人に、

「いい就職先見つかるといいですね」

と励ましていただきました。

中にはゆっくりと目を瞑ってリラックスしたいサラリーマンも
多いはずなのに、プライベートのことを根掘り葉掘り聞いてくるのです。

当然客離れしていきます。

最近はラーメンを売りつけるようになってきました。

なんと、レジで支払いの際に、ラーメンを買わせようとするのです。

これはドンマイです。

そんなもの買っても、持って帰るのが恥ずかしいだけです。

でも、店員さんは店長のマニュアル通りに、
相変わらず沖縄そばセットを売りつけようとしてしまいます。

気の弱い人が断れずに買って行きます。

これが、実に勉強になるのです。

売上が下がれば下がるほどに、
しつこいコミュニケーションをお客さんに要求してしまい、
オプションを売りつけようとする。

その結果、売上が低下するのは必至です。

本人たちは、みんながんばっているつもりです。

でも、がんばればがんばるほどに、売上が低下していくのです。

日本軍が、がんばればがんばるほどに、劣勢になっていったのと同じです。

そもそも戦略が間違っていたら、
ますます負ける方向へ導かれていくのです。

これも、勉強です。

振り返ってみて、
自分も無意識のうちにこうしたことをしていないだろうか、
と気づくことができます。

欠点を探すのではありません。

逆に、自分に欠けている部分を教わっているのです。

だから、お金を払っているのです。

...千田琢哉(2010年9月12日発行の次代創造館ブログより)

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