【千田琢哉の頭脳】Vol.0443(2010年4月22日発行のブログより)
商社勤務です。海外出張でいつも悩まされるのが時差ボケと食事です。これは同僚も同じように悩みを抱えている人が多いのですが、仕事にかなり影響が出ます。睡眠や食事バランスがほんの少し崩れるだけですぐに体調が悪くなり、人間って弱いものだなと思い知らされます。自分のデリケートさに少々いらつきますが、そうしたことが理由で海外出張が大嫌いです。最後までサバイバルするには団塊の世代の先輩商社マンが豪語するようにやはり・・・体力が決め手なのでしょうか?ちょっと真剣に悩んでいます。
(東京都・会社員・Yさん・男性・35歳)
スポーツ選手で最も大切な能力は何でしょうか?
たとえば野球の選手が野球が上手なのは当たり前の話です。
野球の選手を目の前にして、
「野球がお上手ですね」
とは言いません。
野球に限らずあらゆるスポーツで最も大切な才能は
健康であるということです。
才能はあるのだけれども、故障の多い選手というのが必ずいます。
でも故障が多いか少ないかは運ではありません。
故障は才能であり実力そのものなのです。
私は学生時代パワーリフティングという競技をやっていました。
普通の人ではちょっと想像しにくい重量を挙げるために日々筋トレと食事と睡眠を考えながら粛々と進めていく地味なスポーツです。
筋肉は鍛えられても骨までは鍛えられない。
人体にかかる負担の限界まで挑戦するわけですから、
日々けがとの戦いです。
腰を酷使しますからまず最初に腰がやられます。
そうなるとトレーニングが中止になりますから記録は伸びません。
1週間休みを取ると1週間分遅れるのではありません。
1週間休んだことによって元に戻す分を含めて最低2週間分遅れます。
だから練習以上にストレッチに時間をかけます。
傍から見たらここはヨガ・サークルではないかと思えるほど
入念にストレッチをしていました。
みんな周囲は剛腕の持ち主で才気あふれる人たちがわんさかいましたが
故障で消えていきます。
あとあまり知られていませんが、
パワー系スポーツでは歯並びが最後の決め手になります。
虫歯が多くて歯並びが悪い人は歯を食いしばった時に
100%の力が出しきれません。
これは目の毛細血管が切れるほど自分の限界ギリギリまで力を振り絞った人でなければわからないかもしれませんが、歯並びがすごく重要なのです。
才能はあるけれども故障の多い選手は次々に消えていきましたから
最後まで何があるかわかりません。
故障の少なさと歯並びだけでもそこそこいけるのです。
ここから何が言えるでしょうか。
仕事でも最終的にサバイバルできるのは基礎体力だということです。
どこでもすぐに眠れて胃腸が強いことは実力です。
戦争も同じです。
戦争で生き残るためにはどこでも瞬間に眠れて
強靭な胃腸を持っていることです。
腕力や射撃の腕の差が決め手ではないのです。
私はレーシックの手術をしましたが、
これもいつ戦争や天変地異などの極限状態に陥っても
メガネやコンタクトなしで裸でサバイバルできるようにです。
メガネやコンタクトでショボショボやっているうちに
頭をぶち抜かれたり瓦礫の下敷きになったりして死にます。
これが本当のリスクマネジメントです。
リスクマネジメントは事前にきちんとお金と時間をかけることを
決断できる勇気で決まります。
...千田琢哉(2010年4月22日発行の次代創造館ブログより)
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