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調香師見習いがイッセイ・ミヤケと出会ったとき

三宅一生さんが先日逝去されたニュース。
ショックだったなぁ。
ご冥福をお祈り申し上げます。

私は調香家であり、ブランドを立ち上げ最中の身なのだが、ブランドに対する思い出を綴らせていただく。

ファッションの学校に通っていたとき、あのブランドのPR部門に転職したいと思っていた時期があった。

哲学、ブランドが醸し出すオーラ。
それほど詳しく知っていたわけではなかったけれど、憧れが強かった。

紆余曲折あって、洋服ではなく調香の道に進むことにしたのだけれど。

そんなある日、銀座のデパートで香水をひたすら嗅ぎまくったことがある。

中でも鼻に止まった(印象に残った)のは、イッセイ・ミヤケの香水だった。

みずみずしくて、爽やかで、
でも、引っかかりが無いわけではなく印象には残る。

でも、酔わない。

性別の垣根を超えるような、普遍的な、シンプルな香りだった。

ああ、こういう香りをまとってイッセイ・ミヤケのお洋服を着て、鞄を持つとしっくりくるのかぁと。

香り含めてコーディネートされてると感じて感動した。

そして、
私がブランドをさせてもらうなら、これに筆頭するくらいのものを作りたいと思った。
いや、というよりむしろ、
そのデパートに並んでる素敵なクリエイションたちとのご縁が、より多くの人と繋がるように、香りの間口が広がる商品が作りたいと思った、のほうが合っているかもしれない。

香水をつける人の気持ちもわかるし、
つけない人の気持ちもわかる。

鼻が敏感だからこそ、
電車とかの公共の場で適量を超えた香りを纏ってる人が側にいると辛いと感じる気持ちもよくわかる。

これらを完全に解決する香り、とまではいかなくても、香りをなにかの課題や問題、理想に近づく選択肢の一つとして捉えてほしい。

話はずれたけれど、私は
服に限らずイッセイ・ミヤケからは、たくさんの気付きと背中押しをもらった人間であり、紛れもないファンだ。

彼のご冥福をお祈りしつつ、今後のブランドにも注目していきたい。

合掌。

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