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餃子物語~手作り餃子から学んだこと~

こんにちは。年始のドラマ「岸辺露伴は動かない」、面白かったですね。
中学時代のあだ名が「ジョジョ」だった私が見ないでどうする、としっかり録画もしました。セナポンメンバーのジョーカーです。

年明けから先輩方が、
課長代理と担当課長の違いだったり、
ロジハラがなんちゃらかんちゃら(難しかった)だったり、
足がむずむずする原因だったり、
とてもとても有用な記事を書かれてましたが、私が今回書く内容はこちら。

手作り餃子レポート
です。

夏に友人と思い立って作り出したのですが、想像していなかった物語が生まれたのでこれはと今回の題材に選ばさせていただきました。
たかが餃子。されど餃子。
あなたは餃子から何を学ぶことができるでしょうか。
気張らず張り切らず、空いた時間にこのしょうもない記事を呼んでもらえれば幸いです。

プロローグ:地獄の始まり

「餃子の皮って手作りするとモチモチになるんや!いっちょやってみっか!」

これがすべての始まりでした。

餃子って、なぜかその単語を聞けば無性に食べたくなっちゃうし、
いつ食べてもほんとに美味しい。

その日もひょんなことから、友人と餃子が食べたいよね、作ろうか、という話になり、レシピを漁っていました。すると、目に入ってきたのは皮から手作りしているレシピ。
なんとも、手作りの餃子の皮はモチモチで、かぶりつけば信じられないくらいジューシー、もう市販のものには戻れなくなるほどの美味しさらしい。

じゅるり。  

「作る?レシピもそんなに難しくなさそうだよ!」

そう、どうやら結構簡単に作れるようなのです。

レシピの文面上は。

「モチモチの餃子、食べたくない…?」
『モチモチの餃子、食べたい…!』

そんなひたすら純粋で純朴な理由で、ある夏の日、私たちは皮から手作り餃子を作ることにしました。

これが地獄の始まりとも知らずに。

絶望の前の幸せ

餃子の皮の作り方はいたってシンプルです。
ざーっくり説明すると、

①薄力粉と強力粉と熱湯と塩を混ぜ、こねる。
②30分ほど寝かす。
③作りたい個数分に等分し、小さい球状に丸め、手のひらで円盤状につぶす。
④綿棒で伸ばし、よく知られている餃子の皮の形にする。


です。超シンプルですね。
詳しいレシピはこちらから。

私はこれを友人と60個作ることにしました。


60個。


冷静な人が見れば、私たちが間違った道を歩もうとしていることに気が付くでしょう。

しかし私たちは冷静ではなかった。


モチモチの餃子をたくさん食べたかった。


恋は盲目、というように、モチモチの餃子を食べることしか考えていなかった私たちは盲目でした。

しかもまたこんな時に限って、取り掛かり始めた時間はおよそPM7:00とだいぶ遅めなのです、皮から餃子を作るには。60個。

③番くらいまではルンルンと楽しくはしゃぎながら、
「わ~すごい柔らか~い」『すでにモチモチ~♡』とか言いながら小麦粉をこねていたわけですよ。

餃子①

これから寝かせる生地です。愛おしかった。

問題は工程④、寝かせた記事を餃子の皮の形に形成するところでした。

友情と手首に亀裂が走りかける。

工程④、60個のお団子に分けた生地を、一つずつ円盤状につぶしていく作業。

餃子②

これを綿棒で薄ーく伸ばします。

これが結構難しいんですけど、うまくできるとちょっと嬉しい。なかなか楽しいなと思いながら伸ばしていたのですが、5枚目あたりで気が付く。

「これ、60回やるんか…?」

……遅すぎる。遅すぎる気付き。
この作業、結構きつい。

しかし、生地を用意してしまったものはしょうがない、とひたすら伸ばしますが、

まあ終わりが見えないんですよね。

生地を寝かせる時間もあったため、この時点で時刻はPM9:00過ぎ。

「これ、何時に食べられるかな…」と不安になり慄く私に、
『だから大変って言ったじゃん…』と友人、突然の裏切り。

あんただってモチモチの餃子食べたいって言ってたじゃないか、
一緒にモチモチの夢を追いかけてたじゃないか…。

そんな言葉を何とか飲み込み、ちくしょう、とひたすらに伸ばし続け、
途中に自暴自棄になり、焼き上がりとともに飲むはずだったお酒をフライングしたりしながら、

餃子③

できました…皮(推定)60枚…
時刻は怖いのでもう見ません。

でも終わった…。

達成感に包まれる私の腕に違和感。
親指を動かすと腕の筋が痛い。
餃子つくって腱鞘炎って何やねん…

と燃え尽きたあしたのジョーのようになる私たちの前に、
今度は60個の餃子を包むという作業が待っているのでした。

友人と一体どんな空気で餃子を包んだのかは、ご想像にお任せします。

エピローグ:文面ではわからないこと

手作り餃子は美味しかったです。結構びっくりする美味しさでした。
皮がモチモチしていました。肉汁があふれてジューシーでした。
それだけで私たちは報われました。目をまん丸にしながらパクパク食べて、あっという間に完食しました。

餃子④

料理ってレシピだけ見ると簡単そうでも、意外と時間がかかったり難しいことってよくありますよね。
いざ体験としてやってみると想像もできない大変さが待っていたりして。
仕事でも、入社してから散々「大切だよ」「覚えておいてね」と言われたことが、いざ仕事を担当して実際に体験するようになると言葉の重みが全然違いましたし、思い通りにいかずに悔しいなと思うことも多くありました。

理解から実現までの「思ってたんと違う」感、23歳になっても未だにぶつかります。心折れる。

特に、仕事において社会人一年目はほとんどが初めての体験。
つまり、ひたすらレシピを読んでは作って、「あれ?難しいな?」の繰り返しな訳です。

初めて作る料理なんて失敗することも多いし。
はじめてする仕事は本当に失敗だらけ。

ただ、調理の時に意味を考えながら作ることは、美味しい料理への第一歩だと思うんです。
小麦粉をこね合わせるときに、なんで水じゃなくてお湯なんだろうとか。
生地を伸ばすときに、本当にレシピ通りの厚さでいいのかなとか。

これはちょっと考えてみると、お湯でこねることによってグルテンの働きで皮がモチモチになるとか、
厚さだって、厚めが好きなら焼きやすさと包みやすさのバランスを考えて、レシピ通りにしなくてもよいというのが思いつく訳です。

一つ一つの工程の意味を理解して作った料理はきっとおいしいものになると思うし、大変さを知った前と後ではレシピの見方も変わりますよね。

仕事だって同じで、マニュアルがあったとしても、作業の意味を理解してやる仕事と、ただ従う仕事ではその後にきっと差がでる。
電話一本取るにしても、
業務的に言う「ありがとうございます」と、
相手のことを考えて言う「ありがとうございます」では、
きっと受け取り手に与える安心感は違う。

そして多分、大変さを知った後ではマニュアルや上司・先輩の言葉の重みが違うだろうなあと思うんですよね。

だから、新人は「わかりました!」「できます!」ってすぐ言っちゃうし、だけど思ってたより大変で心が折れることも多いけど、ちゃんと意味を理解して、先の見通しを立てて行動できるようになるまでちょっと頑張らなきゃですね。

話が大きくなってあちらこちらに行ってしまいましたが、
文面だけではわからないこと、体験しなければわからないこと、
今は多すぎる毎日ですが、これからはどんどん減らしていきたい。
たっくさん体験という経験を積んで、一つのことからたくさん想像ができる社会人になりたいなと思います。

苦労した餃子は美味しかったし。仕事も多分、美味しくなるよね。


ちなみに腱鞘炎を疑った腕は、一晩寝たらすっかり治りました。
餃子を作るときは適切な数を作ってね。
めでたし。

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