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アンドロイド転生640
メディカルセンター:モネの病室
モネを見舞ったアオイとサツキ。アオイはモネと4年振りの再会を果たし、喜びの涙で包まれた。2人は春に出会い、別れ、そしてまた春に再会したのだ。誰もがこの幸運を喜んだ。
モネはサツキの存在に気が付いた。
「サッちゃん!なんで?なんで?」
サツキの育て子達とモネは幼馴染だった。彼女とは物心ついた時からの知り合いだ。
「モネ様。お久し振りです。派遣期間を終えて、今はサヤカさんと同じ村で暮らしています」
サツキはモネを混乱させてはならぬと気遣い、アオイをあえて別名のサヤカと呼んだ。
モネは目を丸くした。
「し、信じられない…!こんな事ってあるの?」
サツキは優しく微笑んだ。
「はい。ご縁がありました」
モネはサツキをしげしげと見つめた。赤ん坊の頃からサツキもいつも側にいた。サヤカと公園に散歩に行くと彼女と会った。育て子のハルとナツと四季を過ごしモネも共に成長したのだ。
2年半前にモネはナツの誕生日会に訪れた。その翌日にサツキは職務期間を終えて派遣先から去ったのだ。モネはサツキとの別れも悲しかった。そして育て子達も涙したのだ。
「ハルはバスケやってるよ!スタメンだよ!」
ハルは来月16歳になる男子高校生だ。
「それからね!ナツはダンスをやってるよ!」
ナツは14歳。来年は女子高生だ。
サツキは胸に手を当てた。
「ハル様…ナツ様」
アオイと同様にサツキも育て子を愛したのだ。
「ああ…。私もお会いしたいです」
モネの瞳は煌めいた。
「会おうよ!私が会わせてあげる!」
「ほ、本当ですか…」
「うん!絶対!約束!」
サツキの瞳に涙が潤むと直ぐにポロポロと落ちた。自我のないアンドロイドであり人間に近付く為のマニュアルなのだが、それでも涙を零す様はとてもプログラムには見えなかった。
アオイはサツキの背に手を当てた。
「会おうね。私も会いたい」
「はい…。はい…!」
サツキは何度も頷いた。
モネの顔が輝いた。
「ハルもナツもすっごく喜ぶよ!」
そう。現代の子供は誰もがアンドロイドに育てられる。そしてその絆はとても強いのだ。
ナースが昼食を運んで来た。
「楽しそうですね。お声がよく聞こえました。でも、オペを終えたばかりです。皆様。退席して下さい。モネ様はお食事後はお休み下さい」
全員が照れて笑った。タカオ達とサクラコの間の緊張も解れていた。人間達は病院内で食事を摂る事になった。アオイ達もついて行った。タケルは役目は終えたと言って中庭に向かった。
※モネとハルの幼児期のエピソードの抜粋です
※サツキがホームの一員になったシーンです
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