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アンドロイド転生638

メディカルセンター:モネの病室

サクラコとアオイは歓喜し抱き締め合った。4年振りの再会だった。サクラコはアオイをベッドに誘導した。全員が病室に入った。
「まだ麻酔で眠ってるけど…見てやって」

アオイは思わず駆け寄った。モネの顔を見て胸が一杯になる。恐る恐る頬に触れた。
「ああ。モネ様…!」
16歳になっていても寝顔は幼く見えた。

アオイの最後の記憶の12歳のモネ。そして少女から幼児と還って行く。乳児。新生児。ああ。私は彼女をどんなにかどんなにか愛しただろう。また逢えるなんて…!神様…!

「え?サツキ⁈」
サクラコの驚きの声でアオイは振り返った。サツキは頭を下げた。
「お久し振りです。サクラコ様」

サツキはモネの幼馴染のハルとナツのナニーだった。サクラコも顔見知りだ。
「2年半前に派遣契約が終わりました。アオイさんが廃棄の運命から救ってくれたのです」

サクラコは目を丸くしてアオイを見た。
「一体全体どんな事が起こったの?」
「サツキさんは私の親友です。だから廃棄になるなんて絶対に嫌だったんです」

アオイは自分の過去を伝えた。サクラコ達と別れた朝、TEラボに戻った。廃棄を免れたものの初期化され記憶を失い、別の派遣先で働く事になると知ってラボから逃亡したと。

「サクラコ様。私は怖かったのです。皆様を忘れて生きるなんて耐えられなかった。だから逃げ出して、追い詰められて断崖から飛び降りました。それをこの人達が助けてくれたのです」

タカオとキリ。そしてタケルをアオイは振り返った。あの日あの時、激しく損傷して機能が低下したアオイに新たな出会いがあったのだ。
「今は幸せですがやっぱり寂しかったです」

サクラコも頷いた。
「私も…モネもザイゼンも凄く寂しかった。あなたの存在が大きくて暫く呆然としていたの」
「ザイゼンさんは…首が折れたとか…」

「そうなの。モネと一緒にこっちに来て遭難して頚椎を折ったの。声も出辛くなって…。朝早くラボに行ったの。2日くらいで戻るわ」
「ああ。ザイゼンさんにも会いたいです」

モネの瞼が震えた。麻酔から目覚めたのだ。モネの意識が浮上してくる。だが誰も気付かなかった。モネがまず理解したのは光だった。そして次に真っ白な天井。点滴。ここはどこ…?

モネの唇から吐息が漏れた。ルイが気付いた。
「モネ?モネ?」
虚ろな目をルイに向けた。
「ルイ…?」

「モネ!目が覚めた?痛いとこない?」
「ママ…」
「モネ様!モネ様!」
「…誰…?」



※アオイが断崖から飛び降りたシーンです


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