見出し画像

アンドロイド転生247

新宿区:ショッピングモール

ルイの隣のテーブルにいるどの娘もテレビで見るような華やかな服装で、しかもとても綺麗だった。アイスを食べている姿も何だか品がある。ホームの幼馴染とは全然違う。これが東京人なのか…!

少女達はチラチラとルイを見た。3人で笑い合ったり叩き合ったりしている。皆可愛らしいがそのうちの1人は目を見張るような美しさだった。す、凄え…!ルイは目が離せなかった。

1人の少女が話しかけて来た。
「ねぇ?名前はなんて言うの?」
「…ル、ルイ」
緊張して吃ってしまう。

少女達はルイの赤毛を見つめた。
「髪はなんでそんな色なの?」
この時代は白髪を遺伝子治療で黒髪に変えることはあるが毛染めと言うものがなかった。

別の少女が不思議そうな顔をする
「その目は?シルバーなんてどうして?」
やはり視力を調節したり瞳の色を変えて楽しむコンタクトレンズというものもなかった。

村の半数以上は髪も目の色も明るい。ルイにとっては当然のことだががタウンの人々は全員黒い。
「あ、こ、これは生まれつき」
「凄〜い!」

「ルイはアニメの主人公みたい」
テレビの世界に喩えられてルイは心臓が高鳴った。まさか…!俺がそんなわけねぇ!そう思いつつも緊張して言葉が出てこない。

少女達はアイスを食べ終わると立ち上がった。
「ねぇ!ルイも一緒にゲームしない?」
ゲーム…?モールの中にそんな場所があるのか?ルイはリツを見た。

リツはニッコリとした。
「よし、行こうか!俺達はそんなに時間がないけれどいいか?」
ルイは驚いた。こんな綺麗な子達と遊ぶのか!

少女達は柔かに笑った。
「うん。ちょっとでもいいの。行こう!」
ルイは慌ててアイスを頬張ると立ち上がって皆に付いて行った。

少女は歩きながら自分を指した。
「私はニナ。この子はアンで、この子はモネ。タカミザワモネって言うの。知ってる?」
知るわけがない。ルイは首を横に振った。だが3人の中でもとりわけ美しい娘だ。

ニナはモネの肩を叩いた。
「モネはモデルなんだよ。美的ってサイトの専属モデル。知らない?」
モネは恥ずかしそうな顔をした。
「やめてよー!ニナ。男の子だもん、知らないよ」

ルイは申し訳なく思った。
「ご、ごめん」
モネは柔かに微笑んだ。
「大丈夫。でもそのうち、誰もが知ってる女優になるの。きっとね。だから応援してね」

ルイは何度も頷いた。女優か…。さすがに東京人は言う事が違う。モネを見つめた。色白でほっそりとした身体。長い脚。大きな瞳。華奢な鼻筋。ボブのヘアスタイルは清潔感がある。…ホントに綺麗だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?