見出し画像

#5 しょっぱさの起源

昨晩は飲み過ぎた。

肝休めが必要である。

今朝作ったレモンとミントが入った氷をグラスに二つずついれる。そこに炭酸が抜けないよう、炭酸水で静かにグラスを満たす。溶け出したレモンとハーブの香りがほんのり鼻腔をくすぐる。

「なんで海ってしょっぱいの?」

「塩のせいだよ」

「なんで塩が入ってるの?」

海の塩がどこからきたのか、昔年の疑問を解決しなければならない。

同居人から聞いた実験を思い出した。

車で川を上流から下流まで少しずつ停まり、どこからしょっぱくなるか試したらしい。

結局、どこまでいっても全然塩気を感じず、諦めたとか。

この実験の結末のように、川には塩分がほとんど入っていないらしい。河口までいってもそれは同じで、川の頭から先まで塩気はない。

なのに、

どうして海はしょっぱいのか

画像1

これは海の誕生時に遡る必要がある。そして、それは地球の誕生の時でもある。約46億年前の話だ。

地球が誕生後、大気は水蒸気に加えて火山ガスが充満していた(原始大気)。地球の温度が雨が降り、火山ガスの成分(塩化水素、亜硫酸など)を含んだ酸性の川が作られ、酸性の海が作られた。

やがて酸性の海は地表の金属物質(マグネシウム、鉄、ナトリウム)を溶かし、それらの成分と混じり合って少しずつ中性化していった。このとき、酸性の海水成分と金属成分が結合して塩化ナトリウム(=塩)が作られた。

川は塩を海に置き去りにした状態で蒸発した水蒸気が雨になって流れたものなので、川とは違い海だけがしょっぱいままとなるというわけだ。

海の起源については理解できた。

ところで、海にいくとつい味を確かめたくなるのは僕だけだろうか。

ここは辛いかな?薄いかな?と、つい確かめてしまうのだ。

経験上、なんとなく違いがあると思ってしまう。

濃度に関しては、上記の話を元に考えてみると、川の水の流入量と蒸発が影響する。

よって、川の流入が少ないが蒸発速度が高い海はよりしょっぱくなるということだ。

アフリカ大陸と中東の間に位置する紅海は少ししょっぱいと言っているダイバーたちの噂は本当なのかもしれない。


紅海ついでにただの独り言なのだが、紅海はダイバーたちにとって一度は潜りたい憧れの場所である。

サンゴの種類は200を超えていて、さらにジンベエザメなどの大物もいるらしい。

いつか行ってみたい。潜った際は、しょっぱさも確かめてみよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?