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ブックレビュー#20 竜ちゃんのばかやろう 上島光 著


ダチョウ倶楽部好きである
セモ☆ヒカルは、上島竜平の訃報に
驚き、仕事中声を上げた…

奥さんの広川ひかるちゃんが
私のペンネームと同じ名前なのもあり
いつも彼女をチェックしていた!
同じ名前は皆兄弟!
そう思うと今は逆に胸が苦しくなる。

一体何があったのだろう…
竜ちゃんのことが知りたくて
そして、ひかるちゃんが1人で
個人事務所を続けていくと聞き
非力ながら、微々たる印税を
御香典がわりに納めたくて買った1冊。

竜ちゃんと奥さんのひかるちゃんは
歳の差が10歳近くあったのに
まるで竜ちゃんはお母さんのように
ひかるちゃんに甘えていたみたいだ。

寂しがりやで
いつも誰かといたい性格なのに
奥さんのことは平気でほったらかして
突然ハワイ土産にハワイの焼肉屋の
キムチを買って帰って来たり…
変わり者が度を超えてて
ひかるちゃんも笑うしかないことが
何度もあったみたい。

コロナが…
竜ちゃんのことを親友だと言っていた
志村けんさんを奪ったことで
竜ちゃんのメンタルは
大きくバランスを崩してしまった。

バラエティでの怪我も良くなかった。
体調が悪いと、心はすぐにダメになる。
私も体調不良に左右される人なので
その辛さが長く続くことのストレスは
想像に難くない…

ただ、愛する人がいるのなら
大事な仲間がいるのなら
自分の人生の寿命を受け入れ
最後まで笑い者になりながら
芸人として生きて欲しかったよ
竜ちゃん…

繊細で、優しい人は
やはりこの世界は生きにくいのだろうか。
せめて奥さんが辛くならないように
最後までいて欲しかった…

例えば私が…
家族という意味でとらえなおし
我が子の苦悩に気付かず
命を絶たれてしまったとしたら…
私はどうなるだろうか。

自分を責め、人からの優しさにも
素直に甘えられないかもしれない。

ましてや芸能人の家族となると
そのプライバシーは世間に晒され
傷口に塩を塗られることが
半永久的に続けられるのだとすると…

広川ひかるちゃんの強さと
前向きさ…家族や友達の温かさと
思いやりは人として尊敬しかない。

竜ちゃんは、ひかるちゃんとその家族なら
きっと立ち直って許してくれる
そう思って旅立って行ったのだろうか…

コロナが、たくさんの人の人生に
多くの陰を落としたのは…事実。
コロナが発症さえしなかったら
志村さんは命を落とさず
竜ちゃんも失わずに済んだことだろう。

憎いのはコロナ…
でも、竜ちゃん、あと少し
あと少しだけ膝を抱えて待っていたら
世の中はまた変わったんだよ。

絶望感を抱えている人たちへ

私もちょうど10年前
職場でのイジメ、夫婦間の問題
まだ小さな子ども2人を抱え
働いても、働いても生活が安定せず
消えてしまいたい時期があった。
幸か不幸か、その時私は病に倒れ
病院に緊急搬送、27日間の入院生活で
仕事にも家庭にも戻らず
自分の世界に閉じこもることができた。
そうしているうちに
まわりを取り巻く環境が変わったこと
自分の心も変化したのを覚えている。

そんな経験から言えるのは
辛くて、前にも後ろにも身動き取らない時
じっと、膝を抱え、耐えよう…

必ずいつか、状況は変わる。
頭の上の黒い雲が
ゆっくり、ゆっくりと動いていくのを
黙って耐えながらやり過ごそう。

我が子が万一、鬱や不登校になった時
もう少し、もう少しだけここで待とう。
必ず光が見える日が来るから。
そう言って背中をさすりながら
励ましてやりたいと思う。

竜ちゃんにもそうしてくれる
家族が確実にいたのに…
残念でたまらない。
大好きだった『くるりんぱ』や
『どうぞ、どうぞ』が言いたくなるたび
何となく躊躇する自分がいて
心がキュッと痛くなる。

何でいなくなっちゃったんだよ
竜ちゃんのばかやろう!


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