ただただクラウドサインの凄さを語る
本記事は5月前半に社内報で社員に向けて発したものをnote用に一部加工したものです。
コロナ前からなんだかんだと浸透してきた感あったクラウドサイン(スタートアップ関連だと比較的多かった印象です)ですが、我々はクライアントありきの広告代理を主軸にするマーケティング支援事業を営んでいるため、いくらこちらがクラウドサインがいい!といったとしても、クライアントサイドが受け入れてくれないことには導入されることは難しく、完全導入を諦めていたのですが、今回のコロナ騒動で実質的にインフラ化しつつあります。
何故弊社ではクラウドサインをメインにしていなかったのかについては理由があるのでぜひ皆さんにも知っておいてほしいのですが、この手のサービスは自分たちも導入し、尚且つ相手側もそのサービスを使っている、または受け入れることで初めてインフラとなりえます。だって、A社さんにはクラウドサイン、B社さんにはこれまで通りの印刷→製本、捺印→郵送などの流れを汲むと、管理が雑多になってしまうのが容易に想像できるからですね。
これには中小企業なら社長、大手なら法務がボトルネックになり得ます。人間には身体のみならず、マインドにも現状を維持しようとするホメオスタシスが働きますから、大抵の新しいことは拒否するようになっているんですね。これが無意識下で働くのでたちが悪いんです。
※余談ですが、人間には身体のみならず、マインドにも現状を維持しようとするホメオスタシスが働くのだ、と理解すると、さまざまな思考が前に進むのでおすすめです。「どうやれば」と闇雲に悩む前に、いつでも「現状をよく理解すること」のほうが優先されます。アカウント分析と一緒です。
話がそれました。つまり、完全導入にはうちの顧客となり得るクライアントの大半、数字で上げるとすればおおよそ5割を超える企業がクラウドサインを受け入れてくれるほどの普及が必要なんですね。この状況をネットワーク外部性もしくはネットワーク効果と言います。
ネットワーク効果とは、顧客が増えれば増えるほどネットワークの価値が高まり、顧客にとっての便益が増えていくことを指します。FacebookやTwitterなどのSNSや、slackなどのコミュニケーションツールも、使っている人が少なかったら価値がないじゃないですか。Saas系のスタートアップではこのネットワーク効果を発揮させることが出来ればおおよそのプロダクトは黒字転換し、指数関数的な伸びを見せ、利益率が大幅に改善されていくと見ていいでしょう。黒字転換しなかったらサービス or 値付けが誤っていると考えてまず間違いないですね。(更なる普及に向けて広告費につぎ込んでいる可能性もあります、まぁ大抵はこれかな)
クラウドサインの普及はIT企業が主導しているのは間違いないですが、コロナの影響で在宅になり、
・受け取れない
・捺印できない
・返送できない
の三密ならぬ、三難により、それを解決するプロダクトですから、当然ちゃ当然ですよね。そのかいもあり、株価は右肩上がりです。
弁護士ドットコム(株価)
クラウドサインの隠れたインサイト
僕このCMめちゃ好きです。コミカルに且つシンプルにクラウドサインの良さを言及している。
・法的に有効なんだよ(だれもがこれ大丈夫?と思う疑問の解決)
・契約にかかる時間が短縮されるんだよ
さて、このほかにもクラウドサインにはさらに隠れたインサイトがあります。
それは、印紙がいらないということなんですね。へー、印紙ね!位に思ったあなた!そう、そこのあなた!!!印紙を侮ることなかれ。
https://invoice.moneyforward.com/receipts-lp/basic/receipts-stamp-bottom/
課税文書に当たる書類には、税法上、印紙税が課税されます。領収書に収入印紙が要るのは、この印紙税に当たるからです。印紙税は、課税対象である文書を作った人が該当する金額の収入印紙を貼り、税金を納める仕組みとなっています。
課税文書に当たる領収書を作成する際、収入印紙を貼っていなければ印紙税を納めていないことになってしまいます。
収入印紙の貼り付けがない場合、印紙の額面の3倍にあたる金額を、過怠税として支払う義務が課せられる場合があることが、印紙税法第20条によって定められていますので注意してください。
というわけで、ざっくりいうと、契約した金額に基づいた値段の印紙を貼らなければならないんですね。金額が以下です。
5万円未満の場合、非課税
5万円以上で且つ100万円以下の場合、200円
100万円を超え且つ200万円以下の場合、400円
200万円を超え且つ300万円以下の場合、600円
300万円を超え且つ500万円以下の場合、1,000円
500万円を超え且つ1,000万円以下の場合、2,000円
1,000万円を超え且つ2,000万円以下の場合、4,000円
2,000万円を超え且つ3,000万円以下の場合、6,000円
3,000万円を超え且つ5,000万円以下の場合、10,000円
5,000万円を超え且つ1億円以下の場合、20,000円
1億円を超え且つ2億円以下の場合、40,000円
2億円を超え且つ3億円以下の場合、60,000円
3億円を超え且つ5億円以下の場合、10万円
5億円を越え且つ10億円以下の場合、15万円
10億円を超える場合、20万円
正直、500万円以下の契約などであれば目をつむれます。ただ、一部の大手さんとの契約になると、毎回数万円から10万円などの莫大な収入印紙が必要になってしまうんですね。そしてそれが四半期ごとの締結となると、なかなかの金額になってしまいます。
更に、収入印紙ってコンビニで買えると思われてますが、コンビニで買える収入印紙は200円などのものがメインで、高額なものは置いてません。これすなわち、郵便局で買う必要があるんですね。ひえー、総務の方ごめんなさい。
まとめ
・クラウドサインはコロナによって加速度的に閾値を超え、インフラになった or 確実になる
・クラウドサインは捺印いらずでただ便利、と思われがちだけど、実はコスト削減にも働く
このサービス、なぜ普及しないんだろう?というものを、表から見るだけではなく、裏側にもしっかり目を向けると、意外な真実が見れて面白いですよ。
おしまい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?