毎日読書#6 『夜は短し歩けよ乙女』(森見登美彦)
アマゾンの忠実なるしもべである私は、本を読むにあたって Kindle もオーディブルも便利に(と思い込みながら)使っている、しかし小説については紙で読む事にこだわっている。
それは、残りのページ数が減っていく感じも含めて小説の読書体験なのだなと思うから。
読み進めながら「こんなに風呂敷広げて全然畳んでないけど、残りのこのページ数でどうやって?」とか「ああ、もっとこの感じを楽しんでいたいのに、残りがこれしか無いなんてもったいない」みたいな気持ちを持ちながら読むのは、紙の本ならではの演出だ。
森見登美彦の『夜は短し歩けよ乙女』は、読めば読むほど寂しくなる。
ページが減ってしまい寂しくなる。ずっとこのまま、この妄想全開の世界に楽しく浸り続けたい。
楽しくておかしくて、最後の方は「ああ、これっぽちしかのこっていないなぁ、もっと浸っていたいなぁ」という感じになる。
奇想天外でドタバタなファンタジー群像劇にニヤニヤがとまらない。
ああ、読み終わってしまったなぁ。物語に入り込んでいたからこそ味わえる、あの、一人だけ取り残されたような気分にさせられる読後感、割と好き。
漫画にも、アニメ映画にもなっているそうです。確かに漫画向き、映画向きの小説。後半へゆくにつれ、頭の中でビジュアルがカラフルに展開されていく感覚は良かった。
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