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【書評】 フードテックの「今」を知る 『フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義』

ほぼ毎日読書をし、ほぼ毎日「読書ログ」を書いています。367冊目。

Facebookで某肉の方が激賞していたので「有人・知人の薦める本は全て買って読んでみる」の原則に従い予約、本日届いたので早速読んでみたよ。

本書は、フードテックに関する話題をとにかく集約させ、力いっぱい整理した本。発売を急いだのか、各章はわりととっちらかっていて整理もされておらず、コンサルの持ってくるすっごい量の情報と細かい図表だらけになった150ページ位のパワーポイントみたいになっているのだけど、とにかく今起こっている事をインサイトも含めちゃんと伝えるぞ、という熱量は強く感じる。

目次を見ると雰囲気がつかめると思う。

目次

  序章 フードテック革命に「日本不在」という現実
 第1章 今、なぜ「フードテック」なのか
 第2章 世界で巻き起こるフードイノベーションの全体像
 第3章 with&アフターコロナ時代のフードテック
 第4章 「代替プロテイン」の衝撃
 第5章 「食領域のGAFA」が生み出す新たな食体験
 第6章 超パーソナライゼーションが創る食の未来
 第7章 フードテックによる外食産業のアップデート
 第8章 フードテックを活用した食品リテールの進化
 第9章 食のイノベーション社会実装への道
第10章  新産業「日本版フードテック市場」の創出に向けて
おわりに 改めて思う「日本はすぐ動かねばならぬ」

本書で紹介されているものの中に、イノベーションやレボリューションと呼べるものがいくつあるのかはわからないけど、今後の食に関するあらゆる分野で、どういった方向性が模索されているのかがよくわかった。

よくわかったけど、どうか、これらの技術が単なる効率の追求に使わるだけで終わりませんように。なんてことも思う。

個人的には、クリーンミートと呼ばれる培養肉の分野に期待したいなと思う。現在の形での食肉生産は絶対に続かないし、続けるべきではないと思うので、必ず必要となる時期は来ると願っている。

食の話はかならず貧困、環境、政治、宗教に深く関わってくるはずで、そのあたりの掘り下げが無いと芯を食った論にならないのではないかと感じた。本書はそのあたりが弱い。こういったところに、テック業界につきものの、ごく一部の恵まれた人々が新しいおもちゃを与えられ嬉々としているあの嫌な感じを思い起こさせる。

読み方としては10章を読み、自分なりの課題意識を作りつつアタマにもどって読むのが良さそう。


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