村上春樹の新作を買う
街を歩いていたら、タリーズから出てきた人に「すみません!」と元気に声をかけられ、応答する間もなく「この辺にラーメン屋はありますか!?」と元気に聞かれた。
私が「府中市のラーメン事情に明るい人」に見えたのだろうか。
心に若干の打撃を受けつつ、実際に府中市のラーメン事情に明るいので、好みを聞いた上で「紅ラーメン」の場所を伝える。
紅ラーメンは、かつては祭りと競馬場しか取柄の無かった府中市に現れた新名所であり、激ウマで激辛いラーメン屋だ。
案内をしていたらすっかりウマ辛な口になってしまったので、自分も紅ラーメンが食べたくなった。
しかし、この元気な方と連れ立って店に入るのはなんとなく嫌だったので、辛味欲を満たすため陳麻婆豆腐へ。
迷い無く定番の麻婆豆腐の定食を注文したら、お願いしていないのに、ご飯が大盛りになっていた。
私が「いつも大盛りご飯を食べている人」に見えたのだろうか。頼むけど。
食後、いつもの書店へ行くと村上春樹の新刊が並んでいたので購入。
何となく見覚えのあるタイトルだなと思って少し調べたら、未刊行の作品に「街と、その不確かな壁」という中編小説があった。
書かれたのはデビューをした翌年の1980年。三作目として雑誌「文学界」で発表されたけど、完成度に満足出来なかった著者の希望で単行本化されなかった幻の作品だ。
ファンの間では「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」が「街」のリベンジだった、なんて言われていたのを思い出した。
週末に読もう。楽しみ。
「それって有意義だねぇ」と言われるような事につかいます。