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【書評】 成功の秘訣は勇気・友情・勝利 『ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家」の野望』

ほぼ毎日読書をし、ほぼ毎日「読書ログ」を書いています。363冊目。

『ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家」の野望』
(トーマス・ラッポルト)

言わずと知れたペイパルマフィアの棟梁。先の米国大統領選挙でドナルド・トランプ支持を明らかにし大いにバッシングされたけど結果としてトランプが勝っちゃって皆を驚かせた人。初期のFacebookに投資をした人。SpaceXに投資をした人。CIAやFBIが顧客となる巨大企業パランティア(ネーミングがイカしてる)を創業した人。

言わずと知れたシリコンバレーの英雄だ。

本書はそんな英雄の成功譚であり、その哲学を紹介する本となっている。

だがしかし、この本を読んだところで、ピーター・ティールのようにはなれないし、何を考えているのかもわからない、よって、憧れようが何をしようが近づく事も出来ない。大抵の成功譚を紹介したビジネス書ってのは、そもそも能力が凄すぎて、人柄も特殊すぎて、全然参考にならない事が多いのだけど、ピーター・ティールについては、ちょっと格が違う。

一応、参考になりそうなこともある。そもそも競争をするなだとか、仲間を大事にしろ(これは意外だったけど)だとか。ああ、要するに勇気・友情・勝利ってことね、それって何処の少年ジャンプかよと。

なので、僕らは指をくわえて見ているしかないのだけど、本書を読んでいたら、その指をくわえて見る行為を大いに楽しむ事が僕らの正しい態度ではないかなと思うに至りましたよ。

だって、これから何をするのか楽しみじゃないですか。SpaceXのロケットが打ち上げ後にまた戻ってきてちゃんと着陸しちゃう世界を信じて、投資をしちゃうんですよ。結果としてこれですよ。SpaceXに投資をしてくれてありがとうですよ。

こんなの見ちゃうと、SpaceXいいなぁ、働きたいなぁ、社食の皿洗いあたりで雇ってくれないかなぁなんて指をくわえちゃうもの。

そんなわけで、清く正しく指をくわえる為の基礎知識として本書を読んでおきたいですね、というオススメの仕方をしてみたいと思いました。

だって、ピーター・ティールがこれからすることは、少なからず僕らの生活を変えてしまうかもしれないから。

今年のはじめ、ピーター・ティールが率いるファウンダーズ・ファンドが30億ドル(約3300億円)の出資を確保したというニュースがあった。この資金は何処に投資されるのか。これを追いかけていれば、次の世界が何処に向かっているのか、わかるのかもしれない。

続いて2020年7月、パランティアがIPOの準備に入ったというニュースが流れてきた。企業価値はすでに200億ドル(2兆円以上)とのことで、10億ドルの資金をあつめ、どうやらコロナ対策にその資金が使われる様子。

これらのニュースがどんな結果を生むのか、私は楽しみです。

実は本書、ずっと積読されていたものなんだけど、この2つのニュースと、先日のスペースXの有人ロケットの打ち上げ成功を目にして、やっぱり読もうリストに入れたのでした。結果として、今読むと面白いやんけ、という読書になりました。

アンチエイジングや認知症、アルツハイマーを予防、根絶する分野へ投資しているらしいという事で、個人的にはそちらの進捗も気になります。

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