【注目ニュース】東芝、300mmウエハー対応パワー半導体新製造棟を竣工

2024年5月24日 22:13

発表日：2024年5月23日

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東芝グループは、石川県能美市にある加賀東芝エレクトロニクスで、電気自動車（EV）や電力制御に使うパワー半導体の新製造棟を増設し、5月23日に完成式を開催しました。

この新製造棟は夏から試験操業を開始し、秋には本格生産を始める予定です。フル稼働時には、グループ全体のパワー半導体の生産能力が2021年度比で2.5倍に増加します。

パワー半導体は、EVの普及や産業機械の自動化によって、今後も継続的に需要が拡大する見込みです。新製造棟では、パワー半導体の材料となる直径300ミリのシリコン製ウエハーの表面加工を行います。総投資額は約1千億円で、安定供給の確保のために国から一部助成を受けています。

東芝グループはさらに1千億円を投じて、隣接地に同じ製造棟を整備する第2期工事を計画しており、稼働すれば生産能力は2021年度比で3.5倍にまで高まります。第2期工事の着工や稼働開始の時期については市場の動向を見ながら決定する予定です。

完成した新製造棟は、事務棟も含めて鉄骨造り地下1階、地上5階建てで延べ約4万平方メートルの規模です。免震構造や電源の二重化によって災害対策を強化しており、屋上には太陽光発電設備を設置して、使用する電力をすべて再生可能エネルギー由来で賄う予定です。

式典で東芝の島田太郎社長は、「パワー半導体はカーボンニュートラル（温室効果ガス排出実質ゼロ）を達成する上で非常に重要なアイテムであり、このような投資を通じて成長を目指していく」と述べました。