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日本南画院展 その3

今月29日までと、東京開催会期が迫っています「日本南画展」。
川越の一番街にある建物を墨一色で表現した作品を描かれた画家の娘さんからの招待があり、「国立新美術館」まで出かけてきました。

作品は蔵造りの黒色を基調とした色使いと、近代建築の白色を基調とした色の対比が素敵です。
白い建物の高さは約26mある「埼玉りそな銀行 蔵の街出張所」を表現するため、多少誇張し、描かれています。

また、手前の黒い建物は「くらづくり本舗」として使用されている蔵造りになります。
屋根の上には鬼瓦があり、そのすぐ後ろには「カゲ盛」と呼ばれる装飾部分があります。
緩やかなカーブを描いた10数本の細い突起物は"つけまつげ"のような形状で、個性が際立ちます。

作品は墨の濃淡により立体感が強調されています。
遠景の近代建築に比べ、近景の蔵造りは写実的に描かれ、さらに120号と大型の作品のため、迫力もあります。

和風の黒い瓦屋根の蔵造りと白いタイルの近代建築の対比は画的に面白く、私もこの水墨画と同じ角度で写真を撮り、その写真を元にイラスト化も行っています。
今回、作品の面白さを共有できたかのような嬉しさもあり、初めての水墨画鑑賞を楽しめた感があります。

同じ構図の写真をアニメーション制作会社によるイラスト化した画は、『川越の建物 近代建築編』に掲載します。
こちらもよろしくお願いします。

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