日常#15 心配とは、行動の不足から起こるものである。
3月の後半くらいから、不眠症気味。
いくら23時にはベッドの上にいたとしても、多分考えても仕方がないコトに脳内ハックされて、眠れなくなっていました。解決策のマニュアルなんてないのは分かっているのにgoogleに尋ねたり。ブルーライトでさらに覚醒してしまい、明日に支障をきたすから早く寝ないと!と思えば思うほど目が覚めていく・・・
これは、エネルギーが余っていることが原因だと自己分析&解釈したわたしはこの一週間、毎日の“余白”を埋めるために意識的にアクティブに動いてみました。
「心配とは、行動の不足から起こるものである。」(by野村監督)とはよく言ったもので、充実した(させた)毎日が、わたしにまた活力を与えてくれています。
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21日(木)
授業が終わったと同時に着信アリ。
「おまえ、暇か?」 探検仲間のTKCさんからの電話はいつもこんな感じ。暇だと答えると、「じゃあ10分後に漁港へ来い」とTKCさん。
漁港の横の食堂で晩ごはんを食べることになりました。ここの漁港食堂は村内漁港専属の店だけあって村内でずば抜けておいしい魚を提供してくれます。店員さんたちも鮮度のいい魚みたいにみなさん勢いがあるので、この店に来るといつも帰るころには心も体も満タンにしてもらえます。
今回は初めて『タイのアラ煮定食』を注文。TKCさんがごちそうしてくれました。
ここのところ食糧確保のための釣りにハマっているわたしは、1匹の魚を釣って捌いて調理する手間を知ったので、それ以降に食べる魚は特に美味しく感じるようになりました。
食事の到着を待つ間にTKCさんの相談に乗ったり、近頃であった生き物の報告をしたり、写真を見せ合ったりします。元区長さんでもあるTKCさんは、心の底からやんばるを愛していて、同じくやんばる愛が強いわたしとはいつも話が盛り上がります。
ふたりとも、身がゼロになるまでタイを食べ尽くしました。
会計に向かうと、レジの横にある張り紙を発見。
『魚好き、自然好きの人、募集中!』
「いつもありがとうございます!」といつも通り元気に会計をしてくれた店員さんに「すみません、コレ、わたしのことですね!」と話しかけました(たぶんだいぶ怪しい)。
バイトの募集でした。いやー・・・惜しい。惜しすぎる。わたしの今の立場は就労が禁止されているんですね。
やんばるで、しかも憧れの漁港の食堂で、地元の人たちと仕事ができるなんて・・・あきらめきれない!
この気持ち、以前にもなりました。あのときは中国の留学先の大学前にあった蘭州麺の屋台。白い塊を数回引っ張って、最後に銀色の台に打ち付けると同時にきし麺くらいになった蘭州麺が空に舞い、それをキャッチしてクルッと手首を返し、沸騰する大きな鍋に放り込む職人の姿を見たときに、「できるようになりたい!!!!」と、あの時はその場で弟子入りを申し込んだのでした。(宗教上の理由で断れたのですが、粘って粘って、仮弟子入りまでさせてもらい、その後ほんとうに蘭州麺を打てるまで成長できた)
蘭州麺の弟子入りのようにその場で頭を下げることはしませんでした。
22日(金)
朝一で警察本部へ犯罪経歴証明書を取りに行きました。那覇で、しかも本人しか申請できないということで2時間以上かけて移動(節約のため、高速は使えず)。
いつも電話に出る担当者のおっさん・・・失礼、おじさま職員は、何があったんですか?と問いたくなるほど不親切で威圧的。でもこの日対応してくれたのは物腰柔らかな女性職員でした。「すこしでも不備があったら受け付けません。取りに帰ってもらうしかありませんねぇ」とおっさんに脅されていた書類も、何の問題もなく受理してもらえました。その後、指紋を全指分取って、この日は終了。
北部に戻る途中、鳥先輩から野鳥情報が。なんでも、日本国内ではなかなか見られない種の野鳥が村に入ったらしい・・・!
(このあと釣りに行こうと思っていたけど、その前に野鳥観察が入るってことは、家で昼ごはん食べてる時間はない!)と判断したわたしは近くのスーパーに飛び込み、バナナをゲット。車内でゴリラのように、いただきました。
家に入るや否や望遠レンズをもってすぐに出発。窓を開けながら運転をし、同時に双眼鏡で目的の野鳥を探します。無事に4羽も見つかり、近づいてくれるのを粘って撮影。かわいい顔が収められました。
その後、釣り仕様の服に着替え、道具をトランクに載せ、さらに北上。リーフ釣りで粘りました。
この日はチョウチョウウオ軍団に目をつけられてしまい、もうほぼチョウチョウウオの餌付けをしにいったようなもの。2度ほど強い引きがあったものの、釣果はゼロ(足元に40cm級のナンヨウブダイが素通り)。
家に帰って釣りの後片付け。
この日、何をしてても頭は漁港の張り紙でいっぱいでした。
自分の行動不足を感じたときには、もう漁港に電話をかけていました。
その後、漁港の皆さんに「今からおいで~」といってもらい、夜9時前から漁港メンバーと顔合わせ。無事に、超短期間ではありますが、お手伝いをさせてもらえることになりました!
23日(土)
さっそく漁港食堂へ。バイトではないので、「自主研修」と勝手に名付け、お手伝いをしてきました。久しぶりに体を使って動くのは楽しく、しかもコミュニケーション必須の内容なので、倍楽しく、2時間はあっという間に過ぎていきました。
その後、チキンラーメンをすすりながら、クラスメイトとzoomで課題のためのショートミーティング。
終わったら今度はキャンプ場へ。村内で唯一の同級生(とはいっても彼女はわたしと違い知識も豊富なスーパー有名人)と1泊2日のキャンプです。
二人であぁでもないこうでもないと言いながらテントを設置。その後は夕食ゲットのために、友人を連れてまたリーフへ。
おそらく知らない生き物はないのではないかというくらいなんでも知っている友人がいっしょにいるおかげで、磯を歩くだけでも楽しく、釣りは小さいのが2匹しか釣れなかったけれど、カサゴやハマチの子ども、前日も現れたナンヨウブダイも出てきて大盛り上がり。シャコも捕まえました。
一度根がかりした針は、わたしが海に潜って針を外すことで解決もしました。裸足で入ったらサンゴで足を切りましたが、それもいい思い出です。
日が暮れる直前まで二人で釣りを楽しみ、その後はキャンプ場へ戻りました。夕食は、招待してもらったレセプションパーティーに紛れて、釣ってきた魚と、仕込んでおいたシャケの炊き込みご飯を食べました。
おなかがいっぱいになったころにはもう22時前。そこからまた懐中電灯を片手に、森へ探検へ。さすが春の夜。小一時間歩いたら、それはそれはいろいろな生き物に出会えました。
これだけ活動してもなぜか寝つきは悪かったです。
24日(日)
ルルルルルル・・・
わたしの一番好きな野鳥の声で目が覚めました。アカショウビンです。
今年はなかなか渡ってこないと噂していたアカショウビンがやってきたのです。
歯磨きに行くと、足元にはわたしが一番好きな両生類であるイボイモリ。
最高の朝です。
友人が朝食にと、お手製コンロに炭をくべ、バターパンとコーヒーを準備してくれました。
そのあと雨がザーーッと降ってきましたが、二人で朝の散歩。ビショビショになったけど、鈍色の雲がサッとどくと、太陽がパリッと空気を換えてくれました。
テントをたたみ一旦解散。友人はそのまま直接仕事へ。わたしは家へ。
その後、車にカメラを載せて、TKCさんちへ遊びに行きました。TKCさん手作りの基地ようなおうちでくつろがせてもらいながら、夕食の準備を手伝いました。
大学の研究でやんばるに滞在している大学生たちも途中から合流。
TKCさんの作るごはんはいつも絶品で、この日のメインである「ホタルイカの炊き込みご飯」と「ソーキ汁」も最高でした。
ごはん後はみんなで夜の探検へ。
大学生が帰ったあとは、TKCさんへ星空撮影のテクニック講習会をしました。北斗七星が霞むほど出ている無数の星に魅了されました。
日付が変わるギリギリまで遊び倒し、家に帰ってベッドへ。久々に爆睡しました。
25日(月)
朝一でバードウォッチングに出かけると、途中、ありえない場所でヤンバルクイナの死体を発見。とりあえず死体を回収し、センターにもっていきました。久々に再会する仲間でしたが、手土産の代わりに半白骨化したハエだらけのクイナを渡し、家に戻ってきました。
午後から授業を受け、そのあと映画を一本見て、今ダラダラと備忘録を記しています。
明日からは授業&漁港ヘルプが1カ月ほど続きます。
授業内容もどんどんハードになっていきます。
渡り鳥をはじめ、春の生き物も増えてきているので撮影にも出かけたい。
昼間の干潮と合わせてリーフ釣りもしたい。
漁港ヘルプもがんばりたい。
新月前後は星空観察もしたい。
やりたいことが多すぎますが、どうしようもないことを考えて心配するより、実際に動く時間が多く忙しくしている方が、わたしにとっては何倍も・何十倍もいい。
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