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不気味な赤子

私がまだ乳児の時、母は一定の時間になると、私と一緒に布団に横たわり、歌を歌ったり絵本を読んだりした。
絵本には目を向け、文字を覚えていく私だったが、歌には興味を示さなかった。
今思うとあれは「寝かしつけ」という行為だったようだ。
途中で母自身が寝てしまうことが多く、
私はその一部始終をじっと見ていた。泣きもせず。
ハッと母が起きては、地っと母親を見ている私に、何かがっかりした声を挙げる。乳児の私にはわからない言葉で。
私はそんな子どもだった。

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