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SixTONESから学んだ"推し"とは

昨日(4/18)、SixTONESのon eST 名古屋ガイシホール公演に行ってきました。


SixTONESを好きになったキッカケはImitation Rainのライブ映像でした。YOSHIKIさんが作った楽曲で、私が好きな京本政樹さんのご子息がいるグループだという予備知識だけで見た映像だったのに、見終えたときには「もっと見たい、知りたい」と他の動画を探す手が止まりませんでした。
YouTubeに公式チャンネルが開設されていたおかげで彼らのことをたくさん知れました。
各々のポテンシャルの高さ、ライブパフォーマンスの圧倒的完成度、アイドルらしからぬバラエティ対応力、男子中学生のような仲の良さ……それまでジャニーズに抱いていたイメージがいい意味で覆りました。彼らはいくつの顔を持っているんだろう。
「いつかはライブを観てみたいなあ」と、ふんわり思っていました。
ちなみに、入りは京本→田中担の予感→きょもじゅり担です。選べませんでした……


土日に名古屋公演があることを知ったのは金曜の晩。ギリギリ、いや、ちょっとアウト。
ジャニーズは"そろそろドームにいける"というジャニオタ的目安があるらしいけれど、私は当然そんな見解を持ち合わせていないので「今行かないと次はドームかもしれない」という焦りのような気持ちに駆られ、必死でチケットを探し始めました。
というのも、嵐のドーム公演に連れて行ってもらったとき、ありがちな比喩ではなく本当に「豆粒程度にしかメンバーが見えない」というのを味わっていたから。折角行くのなら、彼らの躍動感溢れるパフォーマンスを肉眼で観られる距離がいい。

チケット争奪戦は想像以上でした。
相場がわからない私は、いやいやどうなっとんねんと。うちの家賃やないかい、と。「行ってみたいな〜」という程度の気持ちに対してはハードルが高すぎる金額が並んでいました。
そもそも、新規がふらっと行っていい場所ではないのかもしれないと後に思うのですが。


そこで、困ったときの知恵袋。
人生まるっとジャニオタの従姉妹から基礎知識を教わりました。どこの界隈にも専門用語的なものはあるので、相場はもちろんのこと"制作開放席(機材配置を調整して用意された座席、ステージの真横あたり)"とはなんぞや、ペンライトはどうすべきか…等、わからないことはすべて訊きました。
従姉妹は、さあYouもこっちにズドンしなよ!!とばかりに、忙しい仕事の合間を縫って答えてくれました。持つべきものは様々な界隈のオタク。ありがとう従姉妹。
そして、その相場も席によっては安いくらいだと言われました。どうなっとんねん、あなたたちの金銭感覚。

が、探せども探せども条件にヒットするお相手に巡り会えず。時間が経つごとに上がっていく提示金額。迫ってくる公演時間。
半ば投げやりに、家賃以上の価格をぶっこみました。これが、有り難いことにご縁を繋いでもらえました。

いろんな遣り取りはお相手の方がしてくださり、幾度かのトレードを経た末に与えられた座席は


アリーナ席の5列目


好きになって一ヶ月弱。ようやくメンバー全員のフルネームとメンバーカラーを覚えたばかり。そんなドドド新規が入っていい場所でないことは明らかでした。
周りはメンバーカラーのペンライトを光らせながらうちわを持つ鉄板スタイル。一方の私は、中古で買った"ジャニーズ公式どこのグループにも対応可なランダム発光タイプ"のペンライト。大丈夫?いや、誰も気にしないだろうけど私が大丈夫じゃないよ?

なんて考えているうちに、開演。


メインステージからせり上がって来たメンバーの姿を見た瞬間、私が払った金額は無駄じゃなかった、と思えました。

揺れる髪の先まで美しいダンスと、ペンライトを振る手を止めて聴き入ってしまうほどのハイトーンボイスという最強の武器を持ち合わせた大我くん。
メインボーカル二人に負けない美声と有り余る色気を持ち合わせながら、MCでは不憫キャラに徹する北斗くん。
ハーフパンツがよく似合っていて無邪気で元気、アクロバティックで派手なパフォーマンスが目を惹く慎太郎くん。
髙地優吾と書いてアイドルと読みたくなるようなキラキラを振りまきながら、自ら衣装のボタンを開け放つワイルドさもある髙地くん。
さすがのメインボーカルとあって歌声を自由自在に操り、立っているだけでも存在感抜群なのに、喋らせると全然ダメなジェシーくん。
「爆モテじゅったん」の名を背負う男は背中からでもモテオーラを炸裂させ、ラップなんてさせたらもう大変。抱いてほしい人類ランキング殿堂入り。トークを上手く回しながら自分も落ちキャラになるところが最強に愛しい樹くん。

画面で見ていた6人がほんの十数メートル先にいて、表情も一挙一投足もこの目で見ることができました。特効の炎の熱さが伝わってきたときに「自分は今、彼らのすごく近くにいるんだ」と実感しました。

全員が格好良くてキラキラしていて、心から楽しくて、夢みたいな時間でした。
今でも、あれは夢だったのかもしれないと思っています。

ただただ、感動しました。
こんなにも純度の高い感動を抱いたのは久しぶりです。例えるなら、透き通ったガラス玉のような。


同時に「推す」ってこれが本来のものなんじゃないかと思いました。

レスをもらえたらきっと嬉しいと思います。推しが自分の気持ちに応えてくれた、ほんの一瞬の二人だけの時間。生きていてよかったと思える瞬間です。
そこで踏み留まれたらいいけれど、もっと近くで観たいとか顔を覚えてほしいとか、欲が出てきてしまうのが人間の性です(勿論、そうでない人もいますが)。その願望を実現しようとする過程で同じメンバーが好きな人を敵視したり、レスポンスに一喜一憂したり、いろんな蟠りが生じてきてしまう。
そこまでいくと「推し」ではなくなってしまう気がします。だって、他の人に推薦できないのだから。見返りを求めてしまうのだから。自分だけを見てほしいのだから。独占したいのだから。

メンバーが別ステージでパフォーマンスしていて、こちらに背中を見せる形になったときにペンライトを振る手を止めた人が近くに何人も居ました。
背中を向けていても、彼らは最高のパフォーマンスを見せてくれているのに。一日2公演という過酷なスケジュールをこなして、ステージに立ってくれているのに。365度すべてから視線を注がれる場所に立つ彼らは、後ろ姿までもが美しいというのに。
何をしにきてるんだろう、ただ好きなメンバーが自分を見てくれたらいいのかな?と、悲しくなりました。


今では 推し=好きなメンバー という意味で使われてるけど、本来なら「推薦したいほど好きで、応援しているメンバー」を指すのが正しいのではないかと思います。でないと「推し被り拒否」って究極に矛盾した日本語になりますからね。単に「好きなメンバー」で良いのではないかと。
その点、ジャニーズの「担当」という呼称は広義の解釈で使えるので便利ですよね。いや、担当なら背中も応援しようぜって思っちゃうけれども。


推しが健康でいてくれて、活躍の場があって、ジャンルによっては面と向かって気持ちを伝えられる機会があれば、それはもう十分な「見返り」です。それ以上を望んだ時点で推しではないなにか、です。

最初にあった「好きだ」という解像度の高い感情からピントがズレてぼやけていってしまう前に、自分は何を大切に見ているのか、手を止めて考えることも必要なのかもしれないです。
もうピントがズレてる!でも全部見たい!となったら高額広角レンズをお買い上げください。それはそれで楽しいから。


昨日の感動になにも塗り重ねたくないから、輝きを放つ姿をただ観ていることが私にはいちばんの幸せです。
SixTONESのパフォーマンスを彼らと同じ空間の中で観られる、それ以上を望むことはできないと思いました。私は6人の姿にピントを合わせていたいです。


大事なものを教えてもらえた日でした。
ありがとう、SixTONES


最初に見て衝撃を受けたImitation Rain
https://youtu.be/76I8M6WmR-8

お時間があればこちらも是非
https://youtu.be/mrEhP_CqF9A

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