見出し画像

【マッチレビュー】2024J1第18節 ガンバ大阪vs柏レイソル

〈システム〉
 ガンバ大阪のフォーメーションは4-2-3-1。半田、中谷、福岡、黒川の最終ラインに鈴木とダワンのダブルボランチ。両ワイドに山下とウェルトンが入り中央には山田が久しぶりの先発、ワントップに宇佐美というメンバーでスタートする。一方の柏レイソルは4-4-2のシステムで試合に臨んだ。

〈前半の展望〉
 試合序盤はレイソルが攻勢に出てガンバはそれに耐える状況に。レイソルは全体的に幅を広く使ってボールを回していき、ガンバは前からプレスをかけに行っても寄せきれずに相手を捕まえ切れなかった。レイソルはワイドに振って攻撃を展開し、特に左サイドバックのジエゴはかなり高い位置を取って左からの攻撃にアクセントを与えた。ガンバは今シーズン見せている持ち前の粘り強い守備でレイソルの攻撃を防いでいたが、セカンドボールを相手に拾われラインアップが図れず、クリアで精一杯といったものが多くなってきてマイボールに収めることが難しい状況だった。
 それでもやはり簡単には崩れずにレイソルの攻撃に対応し反撃の機会を伺っていく。ガンバもサイドから突破口を探っていく形が見られ山下とウェルトンのスピードを活かしてディフェンスの背後に長いボールを送り、シンプルに裏を狙っていった。11分過ぎにはダワンが右サイドで上手く相手と入れ替わって前を向き宇佐美を経由してサイドのスペースに山下を走らせる。受けた山下はキレのある動きでディフェンスを翻弄しシュートを放ったが。ここはキーパーに防がれた。
 ガンバもチャンスを作れるようになってきた中で15分、中谷からの縦パスを内側に入っていた半田がワンタッチで鈴木に落とし、鈴木は左サイドのウェルトンへとボールを展開。ウェルトンはドリブルで仕掛ける素振りを見せながらサポートに来た宇佐美にパス。宇佐美は対峙する相手選手を見事なキックフェイントで躱してキーパーと1対1になり最後は落ち着いてゴールに流しこみガンバが先制点を挙げた。チャンスメイクからフィニッシュに至るまで全てがパーフェクトなプレーでガンバがリードを奪った。
 得点を決めてからは前からのプレスにも連携が出てきて上手く相手を嵌めにいけるようになる。近いところでのパスコースを塞ぎながらプレッシャーをかけてレイソルのビルドアップを封じて相手に蹴らせてボールを回収することができた。
 流れに乗ったガンバは25分、フリーキックのこぼれ球を鈴木がダイレクトでシュートを打ち、選手に当たってコースが変わったところに山田が反応して合わせてネットを揺らしガンバが追加点を奪った。
 その後もガンバはスムーズにボールを動かしながら更なるゴールを挙げようと攻撃に出る。ワイドに山下とウェルトンが張って注意を引き付けられているので相手の守備が広がり間で受けやすい状況を作ってテンポよくパスを回せていた。
 しかし、次第にレイソルが再び試合の主導権を握り返して反撃に転じる。変わらずサイドを使った攻撃でガンバのゴール前に迫り、ガンバは何度か危ないシーンを作られてしまっていた。43分にはクロスのクリアボールを頭で繋げられエリア内でフリーでシュートを打たせてしまったが、ここは一森がナイスセーブを見せた。終盤はまたレイソルに流れが渡ったが失点は許さず2-0で前半を終える。

〈後半の展望〉
 後半になっても立ち上がりからレイソルは積極的に人数をかけて攻撃に出てガンバは守勢に回る時間が多くなる。中央で時間を作られてそこからサイドに展開され何度もクロスを上げられていた。レイソルは両方のサイドバックが果敢に攻撃に参加してきておりガンバは押し込まれる状況が長く続いた。プレスに連動性が無くなり単発での守備になってしまっているので簡単に逃げられ追い込みをかけることが出来なかった。
 それども最後の部分での守備の集中力は切れることはなく相手に攻め込まれている展開が続いてもシュートは簡単には打たせず、またセカンドボールをしっかりとマイボールに収めて自分たちのペースに持っていって時間を作る場面も出てきた。
 肝心なところはやらせなかったガンバであるが、時間が経つにつれて次第にスペースを与えてしまうようになり、79分にはライン間を空けてしまって中央を締めきれずそこにパスを通され、フリックで守備を剥がされてフリーにしてしまいシュートを決められて1点を返されてしまった。1点差に詰め寄ったことでレイソルのギアも更に上がって同点に追いつこうと攻勢を強めてきたが、途中出場のジェバリが自分の役目を理解し相手のコーナーフラッグ付近で時間を稼いで守備の時間を減らし守備陣も奮闘し2点目は許さず耐え抜いてタイムアップ。2-1とガンバが勝利した。

〈まとめ〉
 試合の流れはレイソルの方に傾いていたが、今季好調の要因となっている守備での健闘がこの試合でも光った。ここからは上位との対戦が続くが、一つも落とすことなく連勝で乗り切り山田がインタビューで答えたように優勝を狙いたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?