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特別養子縁組ではじまる育児

今回は、育児編のインタビューです!特別養子縁組でお子さんを授かったセキユリヲさんに、セルパメンバーのまりんがお話を伺いました(^^)

特別養子縁組ってなに?

このインタビューを読む前に、「特別養子縁組」がどんな制度かをぜひ知ってもらえたらと思います。

特別養子縁組とは、様々な事情で生みの親が子どもを育てられない場合に、親子関係を解消し、新たに育ての親と親子関係を結ぶ公的な制度です。

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特別養子縁組の他に、普通養子縁組という制度もあります。
普通養子縁組は生みの親との親子関係を解消せずに、育ての親とも親子関係を結ぶ制度です。

また、養子縁組の他に、里親といった制度もあります。
里親には4つ種類があり、並べるとこんな感じになります。

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養子縁組は法的な親子関係を認める制度であり、養親が親権者となります。
一方、里親は一時的に子どもを預かるのが目的なので、親子関係は生みの親とのみ結ばれます。

もっと詳しく知りたい方は、養子縁組についてはこちらのサイト、里親についてはこちらのサイトがわかりやすかったです。

セキユリヲさんのプロフィール

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セキユリヲさん(女性・年齢非公開)

グラフィックとテキスタイルのデザイナー。
日本全国の職人さんと生活雑貨をつくる「サルビア」を始めて20年。2020年春より、雑誌『かぞくのじかん』のアートディレクター。
自主保育をしながら、5歳と3歳の子どもとの暮らしを楽しんでいる。
関連リンク:
Twitter(セキユリヲ)
Twitter(サルビア公式)
Instagram(サルビア公式)

仕事の面白さと、子どもを授かるタイミング

ー ユリヲさん、本日はよろしくお願いします!

ユリヲ:お願いします!

ー 現在ユリヲさんは二児の母と聞いていますが、お子さんは2人とも特別養子縁組で授かったのでしょうか?

ユリヲ:はい、そうです。5歳の長女と、3歳の長男がいます。
2人とも自主保育で育てており、長男にはダウン症があります。

(自主保育とは、保育園などに預けず親同士で子どもを見守りながら育てる保育の形です。)

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ー どうして特別養子縁組でお子さんを迎えられたのでしょうか?

ユリヲ:もともと、いつか子どもが欲しいという気持ちはあったんですが、気付いた時にはもう自分の子どもを妊娠するのが難しくて、そこで特別養子縁組を利用しました。

ー 年齢的な問題で妊娠するのが難しかった、ということですか?

ユリヲ:そうですね。30代になってからどんどん仕事が面白くなって、当時はキャリアを優先していました。その後に子どもを授かりたいと強く思うようになったんですが、不妊治療をしたものの妊娠は叶いませんでした。

正直、子どもは産みやすいタイミングで産んでおけば、と少し後悔している部分もあります。

選択には、「知ること」がとても大事

ー 不妊治療に限界を感じて、特別養子縁組を検討されたのでしょうか?

ユリヲ:いいえ、そこは直列ではなくて、不妊治療と並行して特別養子縁組も検討していました。
自分の子どもを妊娠したいという気持ちはありつつも、必ずしも血の繋がった子どもである必要はないと思っていました。

ー パートナーも同じ意見だったのでしょうか?

ユリヲ:そうですね。夫は養子縁組した家族と関わった経験もあり、特別養子縁組に抵抗のある人ではなかったです。

ー とはいえやっぱり「特別養子縁組をする」と決断するのには勇気がいると思うのですが、意思決定できたきっかけ等はありますか?

ユリヲ:特別養子縁組で家族になった先輩家庭に訪問したのが大きかったです。

そのご家庭で、ごく普通に子育てされている光景を見て、
『あっ、(実子も養子縁組も)全然変わらないんだな。』
と思いました。

特別ひいきにしたり、大事に育てすぎたりすることもなく、本当に家族になれるんだな、というのを自分の目で見て感じられたのがきっかけのひとつです。

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ー ご長男にはダウン症があると伺っていますが、授かる際に戸惑いはありませんでしたか?

ユリヲ:以前から仕事やプライベートで障がいのある方と関わっていたこともあり、抵抗や戸惑いはありませんでした。むしろ、彼らのまっすぐさや心の柔らかさを知っているからこそ、積極的に受け入れたいと思いました。

ー パートナーも同じく積極的だったのでしょうか?

ユリヲ:いえ、実は最初はそうではなかったんです。

夫に関しては、すこし戸惑いがあったようです。
それはやっぱり、「知らなかったから」だと思っています。

ー なるほど。そこはどんなコミュニケーションをとっていったんでしょうか?

ユリヲ:ダウン症や障がいのある子どもの育児について一緒に調べ、話しました。
知っていくことで、どんどん受け入れる気持ちが整ったんだと思います。

特別養子縁組であることは隠さず伝える

ー お子さんには特別養子縁組であることをオープンに伝えていると聞きましたが、どのような機会に話されるんですか?

ユリヲ:日常会話の中でも普通に話していますね。

ー 日常会話で!!勝手なイメージで、養子であることって大きくなってから場を設けてお話するものかと思ってました(ドラマの見過ぎ...?)。

ユリヲ:そうですね、子どもに対して養子であることを公表するのを「真実告知」と言うんですが、伝え方は家庭それぞれです。
私の場合は、隠したくないという思いのもと、年齢問わず本人が知りたければ伝える、というスタンスです。

ー なるほど。ちなみに、生みの親と会うことってあるんですか?

ユリヲ:私の場合はあります。実際、長女が1歳の時に産んでくれたお母さんと会っていますよ。

ー 会われているんですね!それは驚きです。

ユリヲ:みんながそうではなくて、仲介した団体や、本人同士(生みの親・育ての親・子ども)の意思によると思います。

私個人としては、誰だって自分の生い立ちとか、どんな人から生まれたのか、とか知りたくなるんじゃないかなと。なので、自然な問いだし、ひとつの成長過程として受け止めています。

子どもを迎えて、キャリアが進んだ

ー 先ほど「30代の頃は仕事が面白くて〜」とお話されていましたが、お子さんを授かるとキャリアが途切れてしてしまう不安はなかったんでしょうか?

ユリヲ:そうですね。。たしかに仕事はすごく楽しかったので、子育てと仕事のトレードオフはすごく悩みました。
それでも、子育てをやれるのは今しかない!と思って決めました。

ー 実際お子さんを迎えてからキャリアはどう変化しましたか?

ユリヲ:長女を受け入れた時は、仲介した養子縁組団体との約束で3歳になるまで仕事はしないようにしていました。実際、3年間の仕事量はゼロでしたね。
最初の子を授かってから5年経った今でも、全盛期の半分もいかないくらいの仕事量です。

当初は子どもを迎えることでキャリアが中断される、と思っていたのですが、今はむしろ子どもを迎えたことでキャリアが進んだと感じます。

ー 仕事量が減ったのに、キャリアが進んだんですか?

ユリヲ:はい!キャリア一本だと人間関係が均一してしまいがちですが、子育てという軸があることで子どもを介して多種多様なバックグラウンドをもっている人たちと出会えるんです。

そのネットワークの広がりはとっても面白いし、キャリアとしてやりたいことにも変化が生まれました。

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ー 最後に、読者に向けてメッセージをいただいてもよろしいでしょうか?

ユリヲ:特別養子縁組という制度を、もっともっと多くの方に知ってもらいたいです。
知ってもらうことで、いつか子どもが欲しいと思ったとき、選択肢のひとつに特別養子縁組が検討されるようになると嬉しいなと思います。

そして、特別養子縁組に限らず、マイノリティがマイノリティじゃない、「いろんな人がいて当たり前の社会」にしていくために、些細なことでもひとりひとりが声を上げていって欲しいです。

インタビューを終えて

当事者であるユリヲさんとそのご家族が、実際どんな暮らしをしているのか、どんな思いで特別養子縁組を選んだのか、たくさんのことを知ることができたのではないでしょうか。

私自身も知らないことだらけで、もっとこの制度について知りたいと思うようになりました。
このインタビューを通して、「特別養子縁組」が前よりも身近に、自分が選びうる選択肢だと感じる人が増えたら嬉しく思います。

イベント開催のお知らせ

この記事でありのままを語ってくださったセキユリヲさんをゲストに、なんとイベントをやっちゃいます!!ヽ(´▽`)/❤️

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男女/年齢問わず、
・いつか子どもが欲しいと思っている
・キャリアプランとライフプランを計画してみている
・特別養子縁組についてもっと聞きたい
上記のような方にとてもお勧めのイベントです。

参加方法は、以下のフォームから必要情報を入力するだけ!
後日、メールにてイベントのzoomリンクをお送りします(^^)

無料なので、ぜひお友達やパートナーもご一緒に参加してみてください。
お待ちしています!!

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