【仕事の心得1】松下幸之助氏の「万事研修」に学ぶ
月刊「致知」の最新号を読み、松下政経塾の運営に携わった志ネットワーク「青年塾」代表の上甲晃氏と、学校改革を断行し、首都圏屈指の進学校に育て上げた渋谷教育学園理事長・学園長の田村哲夫氏の対談に目が留まりました。タイトルは、「教育への思い 尽きることなし」です。
その中で、上甲氏は松下幸之助氏が説いた「万事研修」について語っていました。松下氏は、
と述べています。この言葉は、まさに先週、私が仕事で実感したことでした。
特に、「自ら問いを発し」という部分は重要です。この部分を読み流してはなりません。「少しいつもと違うな」とか、「これは毎日ルーティーンで行っているけど、本当に必要かな」など、通常の仕事でさえ疑問を持ち、常に問題意識を持つことが必要だと思います。
また、ふと気づいたら、その課題を解決するために「自ら考えて、解を求める」ことが必要です。その解が100点満点でないかもしれませんが、最適解を求めようとして最善だと思われた解が得られたとき、私たちは学びを得ることができます。
渋沢栄一の「論語と算盤」に、論語の先進篇で子路(しろ)の言葉を引用して
との一節があります。それに対して孔子は、「なるほど、口ばかりのやつは嫌いだよ」と返答しています。
これは、孔子の高弟である子路が後輩弟子の子羔(しこう)を李氏の領地である費(ひ)の代官に推挙したいと孔子に申し出たときのエピソードです。子羔は愚直であったため、孔子は「もう少し修養させてから要職につけなさい」と子路に言いました。そこで孔子の言葉を受け、子路が孔子に対して問いかけたものです。
この渋沢栄一の「論語」の解釈では、「なるほど、口ばかりで実践できないものはダメだ」として、子路の机に座って読書するだけの学問は違うとしています。
普段の日常は、常に学びの場です。その日常を学びの場にするかどうかは、課題を持ち続けると同時に人間関係を学ぶことが多いです。この人間関係の極意は、中国古典から学ぶことが多くあります。
朝起きてから、自己を成長させるために、今日一日、学ぶことができるだろうか。
その意識を持ち続けて、学びの場を探していくことが、日々の暮らしに大切だと思いました。
松下幸之助氏が遺された「万事研修」という、言葉を胸に刻みなら。
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