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【ディープかごしま】#005 新しいおでんの世界へようこそ「名山掘梅屋」

(写真と文:編集部 勝 眞一郎)

それは「おでん」なのか?  お店が「おでん」と言って出しているから「おでん」なのだろう。名山掘梅屋で初めておでんを食べた時、それくらいの衝撃があった。

大阪勤務だったころ、何故か僕はよく「おでん」を食べに行っていた。会社のあった梅田には美味しいおでん屋さんがいくつかあったと記憶している。一番近くは新梅田食堂街の「たこ梅」。ちょっと歩いて福島まで行くと「花くじら 本店」。目上の方と行くなら「常夜燈」。大阪って「おでん」が有名でしたっけ?というくらいおでん屋に行っていた。

先ほど挙げた3店はそれぞれ特徴があるものの、正当派(?)の「おでん」を出している。正当派と言ってもトマトとかロールキャベツとかの変わりダネはあるが、基本的に目の前で薄い色の美味しい出汁の中でコトコト煮込まれたいわゆる「おでん」である。

ところがである。名山掘梅屋の「おでん」は頼んだ都度、奥のキッチンから仕事をされた上でカウンターの席に運ばれてくる。鍋から引き上げてお皿に載せてヒョイではないのだ。

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例えばアボカドのおでん。美味しい出汁で程よく煮込んだところに、香り豊かなエキストラバージン・オリーブオイルと胡椒がかかって出てくる。

しらたきやキャベツも絶品。もちろん定番の大根や牛スジも美味しい。不思議なことにどれもそれぞれの食材に合わせたオリーブオイルとなじんでいる。

お分かりのように、どこが他のおでん屋と違うのかと言うと、まずはオリーブオイルを使うこと。聞けば、お店のオーナーが世界オリーブオイルコンテストの審査員とのこと。むしろ、オリーブオイルを美味しくいただくメニューとして「おでん」にたどり着いたのかもしれない。(ちなみに、しゃぶしゃぶ屋さんも経営されていて、そちらもオリーブオイルを使っています)

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そして、このお店を語る上でお酒たちの存在は欠かせない。お酒を飲むためだけに行きたいくらい、ここのワインのセレクトは素晴らしい。国内外のヴァン・ナチュール、つまり自然派ワインを集めていて、お勧めに従って飲んでいくのが楽しみの一つになっている。ほー、こんなワインもあるんだと発見する。美味しいという言葉では表現できない作り手の思いや出来た土地の様子を思わず想像してしまうワインたちばかりだ。

そして、全体をまとめるのがお店の雰囲気。京都の小料理屋のようなたたずまいで気持ちが落ち着く空間を構成している。気持ちよく食べて、ひそひそと連れと会話する静かな空間だ。

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最近人気のクラフトビールも個性的なものが揃っていいるので、スターターにお試しあれ。

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最後のおまけは、こちらの鳥刺し。そんじょそこらの鳥刺しとは一線を画す。香り、味、歯ごたえ全てにおいて素晴らしい。ここもセレクトされたオリーブオイルと塩、もしくはお醤油でいただく。逃すと悔しいので、僕は予約時に鳥刺しはキープしてもらうことにしている。

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なんだかんだと食べて、飲んで、会話して、お店を出るとあたりは暗くなり、また良い雰囲気に。しばらく名山掘の中をブラブラ歩いて、宿へ帰る。よか晩である。

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