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ニッチ訴求のブルーオーシャンが終わるまでの検索数の推移

昨年、検索キーワードから仮説やビジネスの種を見つける方法
という記事を書きました。

この中で

サービス内容は一緒だけれども、訴求を変えたら一気に売上が増えた。
申込み依頼が来た、という事は実際にあります。

引用:検索キーワードから仮説やビジネスの種を見つける方法

と書いたことがありました。

この記事の以前から、今もずっと変わらず、こういった地道な改善を続けるために、仮説の種探しを続けています。
終わりがあるようなものではないので、寄り道しながらたまに何かを見つけては形にする、ということを繰り返しています。

ただ、続けることでまた1つ興味深い事例が見つかったのでまとめてみました。

仮説の種の月間検索ボリュームはどれも小さいもの

仮説の種、というくらい本当に小さな発見なので、ほぼ検索ボリュームはありません。
ツールで探してもデータが出てこないくらい小さいこともあります。

月間検索数が1000を超えるようなものであればサジェストに表示されていたり、パッと思いつくものだったりしますし、そりゃそうですよね。

ですので、仮説の種自体はニッチで良いのです。
月間検索数なんて小さくても良いのです。

あくまでも訴求の1つとしてテストして成果が出たらOKなもの、くらいに考えておいてください。

キーワードというユーザーが残してくれたニーズの痕跡や、多くのユーザーの声を実際に聴くことで分かることは検索数というデータでみると小さな兆しでしかありません。

でも、その兆しの中にビジネスを大きく前進させる仮説が眠っていることもあります。
その発見こそが大切です。

その中で最も手っ取り早い検証でもある「実際にやってみる」を低コストで実施し結果を確認することが大切です。

同じ仮説検証を何度も行わないために、実施した施策と結果、上手くいった/いかなかった理由は記録として残す必要はありますが、結果が出る出ないよりも手数の多さが重要です。

月間検索数が少なかったのは、そもそも何故なのか?

先ほどのトピックで仮説の種なんだからデータ上すくなくて当然、そんなこと気にするな、と書きました。

ただ、その少ないデータの中に何故ビジネス上、大きな収益をもたらすような訴求の切り口が隠れているのでしょうか?

そんなに多くの人に響く切り口なら検索数やニーズの増加など、何かしらのヒットの兆しが見えるものではないでしょうか?

Googleトレンドなどを見ても「急上昇」にすらならないヒットを発見するたびに、いつも疑問でした。

コンテンツとして具現化したり、広告LPの切り口として活用すると売上アップや利用意向の向上に寄与するけれどもデータ上は反応が薄いこれらの要素について深掘りしてみたくなりました。

ユーザーインタビューの中で「探し方が分からない」ということが把握できた

仮説の種の発見のためには、検索キーワードやソーシャルリスニングも大切ですが、それ以外に実際にユーザーへのインタビューも行います。
一人に付き40分程度の時間をいただき、インサイト発見のためにお話を伺っていくのが目的です。

とあるクライアントのサービスを活用してくれているユーザーのインタビューの際に興味深いお話が聞けました。

以下インタビュー内容抜粋


私:「広告の中にあった○○という訴求について覚えていますか?」

お客さま:「あ、覚えています! 言われてみたらたしかに!と思って興味を持ったんですよー

私:「ありがとうございます! 広告を見るまで○○については知らなかったのですか? 他にも探してみようとかは思いませんでしたか?」

お客さま:「思いつきもしませんでした。言われてみたら確かに!という感じですけれども狙って探すことも思いつかなかったですし、他のサービスの探し方もわからなかったので


これは非常に興味深いやり取りでしたが、色々と気づきがありました。

・顕在化されているものでもないので言われるまで気づかない
・他に同じような切り口のところを探せない(検索の仕方が分からない)
・サービス利用後も同じような切り口のサービスを探していない

といったことが把握できました。

量的なリサーチを行ったわけではないので「この人だけ」である可能性はありますが、他にも同じような人がいるのではないかな、と思っています。

データから仮説が見つからない理由と、当たり訴求が検索ボリュームなどのデータとして一気に広がらない理由が見えた気がしました。

ニッチがメインストリームになることは十分にあり得るのでしょうけれども、顕在化し多くの人から知られるようになるまではブルーオーシャンの期間が存在している様子です。

当たり訴求であるニッチがが顕在化しブルーオーシャンからレッドオーシャンになるまで

先ほどのインタビューの中で、検索の仕方が分からないから検索しない、と書きました。
ただ、ずっと検索されないわけではなく、長い目でみると徐々にではありますが、検索数自体は大きくなっていきます。

どの辺りで競合他社が気づき、同じような訴求が増えてレッドオーシャン化するのかも調べてみました。

商材や市場規模、顧客や競合企業数、オンラインとの相性など変数が多すぎるので、本当に1つの事例として参考にしかならないと思います。

とは言え、個人的には面白かったので一部のデータを伏せて事例として見ていただきたく思いました。

当たり訴求を公開してから、徐々に検索されるようになり、競合他社が真似するまでのSearch Consoleの検索結果のデータです。

とあるニッチ訴求が徐々に検索されるまでの推移

時期と合計表示回数と合計クリック数だけは伏せさせていただきました。
平均CTRと平均掲載順位はそのまま公開しています。

増えてきている、といっても検索数はまだまだ少ないですしクリック数も多いわけではありません。

公開から2ヶ月後、競合サイトの1つが同じような訴求でページを公開しました。
数日後にCTRが低下しましたが、まだ高い水準を保っていますし順位も1位でした。

そこから1週間ほど経過し、多くのサイトが同じような訴求を行ったことでたまに1位じゃなくなることも出てきました。

新サービス公開後の指名検索のようなグラフになっていますが、とあるサービスの一般名詞の複合キーワードでの検索数の推移です。

公開から2ヶ月経過するまでは、検索数は少ないけれどもCVRが非常に高く、競合サイトもいないので検索数の増加とCVがキレイに比例する、という珍しい事例になりました。

2ヶ月間、小さいけれども市場を独占できるような経験はなかなかありませんw

どんな訴求も競合が参入するので、常に顧客に選ばれる戦略を

ニッチニーズをひたすら探すのも楽しくはあるのですけれども、最終的には指名で選ばれるようにならないと安定しないな、と改めて感じました。

とは言え、今回の事例よりも寿命の長い施策もあり得ますし、他社が模倣できない可能性もあります。

精度の高い仮説は短命のブルーオーシャンと出会えるきっかけをくれるのかな、と感じさせられます。
個人的に興味深いな、と思った事例でした。


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