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eスポーツのスポンサー離れ 今後の課題はどこにある?

「eスポーツはお金を全く生まない」といった内容のネット記事が出ていたので紹介しようと思います。

件の記事はマーケティングの面などから業界について様々な視点で捉えて報道していく「DIGIDAY」というサイトのもの。こちらの記事によると、「eスポーツには多くのチームがあるが、そことスポンサー契約をしていても出資が増えるばかりでリターンがほとんどない、つまり投資効果がほとんど無い」という企業からの意見が出ているとしています。

※以下は元の記事から抜粋し紹介しているもの。元記事は有料となっているので会員以外は読むことができません。


まぁこのことはちょっと分からなくもありません。

例えば、最近ではエンゼルスで活躍している大谷翔平さんの報道が毎日のようにされています。そして日本だけでなく海外でも大谷さん関連のグッズが飛ぶように売れています。少し前に行われていたWBCの頃には、グッズを買うために人々が長い行列を作っていたということも報道されていたので、知っている人も多いことでしょう。それだけの経済効果を生み出しているのです。

この大谷さんグッズを買っていたり、大谷さん本人を応援している人の中には「実は野球のことあまり知らないんだけど……」という人もいると思います。つまりそこまでの影響力があるということなのです。

対して、eスポーツとなるとどうでしょうか。eスポーツを常に追いかけている人やeスポーツ選手の中に自分の推しがいる人ならともかく、eスポーツをあまり知らない、またはeスポーツ内で行われているゲームについてよく分からないという人にとっては「どこかで行われている何だかよく分からないもの。言葉だけはたまに目にする」といっただけのものになっていないでしょうか。


メディアがあまり取り上げないからということもあるのでしょうが、やはりeスポーツで扱われているゲームというのは一般の人にはよく分からないものなのです。これではせっかくスポンサードしても、それによる見返りがほとんどないというのは明らかです。

eスポーツのスポンサーの多くはPCのパーツメーカーやゲーミングデバイスを売っている企業になります。しかしながら、こういうものを売る場合は例えばeスポーツ会場で「〇〇〇〇」という企業名がバーンと出ることよりも、Youtubeなどでインフルエンサーに自社製品を紹介してもらったほうが遥かに売り上げが違ってくるのです。

こうしたことから、今企業から求められているのは「ゲームが上手い人・強い人」ではなく、「ゲームを面白く紹介できる人」のような気がします。もちろん「上手くて面白おかしく紹介できる人」ならそれに越したことはないと思いますが、「ゲームは下手なんだけどやっていること、やっている姿が面白い」人のほうが視聴者に見られやすい傾向があると思うのです(だからと言ってわざと下手くそにプレイする必要まではないと思いますが)。


eスポーツの内容というのは、それぞれのゲームによっても違うし、また時代時代によって扱われるゲームもどんどん変容していくことから、ただ見る側からするとよっぽどそのゲームに傾倒していないと理解が追いつかないということが往々にしてあります。

それに対して野球やサッカーというのは、もう何十年もほぼ同じルールのもとに行われていて、攻守の変化や勝ち負けが普段からそのスポーツを見ていない人からしても分かりやすいものです。

投資をする側からすれば、どちらにより力を入れていけばいいかは火を見るより明らか。

eスポーツの目指していくところは、大会のようなものを行ってショーとしてのエンタテインメント性を追求していくだけでなく、まずはより広く知ってもらうということから始めたほうが良いのかもしれません。

そのためには“一部の上手い人”だけのものではなく、一般的に楽しめるものにしていく活動が必要になってくるかもしれませんね。



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