見出し画像

ブックレビュー【LISTEN|ケイト・マーフィ(著)】聴くことで知性を磨く?!

「アウトプットが大事」「伝わる話し方」など、自己主張することばかりに重きを置かれ、それができないとまるでダメ人間のような、そんな現在の風潮にうんざりしている人は多いのではないでしょうか?

話を聴いてくれる人がいてはじめて話し手は、自分の存在価値を確認でき、社会と繋がりを実感します。

発信する側、話し手がいれば、当然そこには聞く人がいます。
人の話にきちんと耳を傾け、話し手の気持ちを理解し共感できる、本当の意味で人の話を聴ける人は、貴重な存在であると著者は言います。

現在では、モバイルの発達によりテキストでのコミュニケーションが増えました。自分の好きな情報だけを取り入れ、苦言や都合の悪いことは即座にブロック、居心地のよい安全な世界が持てるようになりました。

その結果、孤立や空虚が知らぬ間に忍び寄ってきました。

凄腕の交渉人、トップセールスマン、詐欺師など、(善悪は置いて)一流の人たちは、自分が話すより人の話を聴いていることのほうが圧倒的に多いといいます。それはなぜでしょうか?

また、話すほうは自分の話を本当の意味で聴いてもらえた時に、カタルシスを感じ深い信頼が芽生えます。

本書では、本当の意味で人の話を聴くとはどういうことなのか?その具体的なテクニックから、真に深く聴くことで得られるメリットをさまざまな事例を取り上げ、多角的に説明しています。

僕はカウンセラーなので、傾聴していく大事さやその深い意味、聴くことで話し手にどのような変化が現れ、その人の役に立てるかを理解していますが、それでも「そんな事例もあるんだ!」と大変興味深い気づきがありました。

傾聴は、夫婦や親子間の問題から、国家間の交渉問題まで、幅広く解決の糸口となるパワーを秘めています。

あなたもスマホをしまって、目の前の人の話をじっくり聴いてみてはいかがでしょうか?

あなたが本当に話を聴けたなら、話す人だけでなく、あなたの世界も変わってきます。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?